さきほど開いた静岡新聞夕刊に「湧水量超過でリニア工事中断 JR東海、静岡県連絡会議で提示」
との見出しの記事がありました。ネット配信もされています。
要点を引用します。
…工事で許容できるトンネル湧水量の上限値を設定し、本体トンネル掘削前の先進ボーリングで湧水量が上限値を上回ると予測された場合、工事を一時中断して対応を検討すると説明した。
事情を知らぬ人が見たら、何だか新しい提示により議論が前進しているように思われるかもしれませんが、ちっとも変ってないと思います。
2014年8月の補正評価書には、水資源にかかる環境保全措置として、次のような内容が書かれていました。
「表8-2-4-7 環境保全措置の検討の状況」の4段目「適切な構造及び工法の採用」のところには、
「工事の施工に先立ち先進ボーリング等…を用いて地質や地下水の状況を把握したうえで、必要に応じて薬液注入を実施することや、覆工コンクリート、防水シートを設置することで、地下水への影響を低減できる。また、非常口(山岳部)についても…掘削中は湧水量や地質の状況を慎重に確認し…(中略)…地下水への影響を低減できる…」
とあります。
で、下段の長い文章のほうの第3段落には「河川流量が減る量や影響の度合いなどに応じて関係者と打ち合わせを行いながら…」とあります。
つまり、今日の「JR東海の提示」というのは、環境影響評価書に書いてある内容そのままなのです。
全然変わってないじゃん!
一定量以上の湧水が起きれば、工事をしている側だって困ることには変わりありません。水がものすごい勢いで吹き出してたら水資源云々とは無関係に工事ができなくなってしまう。だからボーリング調査でそういう予兆をつかんだら、一旦、掘削をやめて対策を考えなければならない。
どこのトンネル工事でもやっていることじゃないの?