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Channel: リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい?
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この評価書、情けないよ…

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23日に環境影響評価書が出されてから、一週間ほどかけて静岡県版の評価書を読み終えました。そんなわけで、しばらくブログから遠ざかっていました。

一言でいうと…
 
何これ?
 
 
ふつう、環境影響評価の問題は、「環境への影響の懸念が払しょくされていない」「影響がないという結論に合わせているばかり」というところにあります。
 
ところがこの評価書は、そういう標準的な問題(?)に達してません。それ以前に
①記載内容のつじつまが合っていない
②必要な調査・予測・評価をしていない
③実行不可能な環境保全措置を平気で書いている
④環境保全措置が自然破壊
⑤危険性を認識してない
⑥本当に調査したのかわからない
⑦確信的に条例違反?
⑧知事意見にすら答えていない
⑨準備書よりも劣化

という情けないレベルです。これ、ホントに評価書なの…?
 
①の例
工事中は川の流量が減少すると予測しているのに、減少しない前提で水質予測をおこなっている

②の例
河原や谷底で工事をする計画であるのに、河原から離れた山腹の生態系を予測・評価の対象とし、改変しないから生態系に影響は与えないという結論を出している。そして肝心の河原や谷底は調査対象外である。改変を計画していない場所だけを環境影響評価の対象とした、意味不明な内容である。
 
③の例
環境への影響を小さくするために、車両の通行ルートを適切に選ぶという。大井川源流部には1本しか道がないのに、どうするつもりなのかさっぱり分からない。
 
④の例
イヌワシやクマタカへの影響を小さくするために、大井川源流に長さ5㎞のトンネルを掘ることが環境保全措置だという。この工事だけで県内発生分の残土を2割増やし、大量の車両が通行したりするので、イヌワシやクマタカのみならず多方面に余計な影響を増やすような気がするけど、これでも環境に配慮した計画なのらしい
 
⑤の例
谷底から500mも高い山のてっぺんに大量の残土を積み上げても安全なのだそうだけど、わざわざ崩壊の危険性を高めているという認識は毛頭ないらしい。
 
⑥の例
景観の予測においては、工事中・完成後の予想図で評価するという作業がおこなわれる。この評価書でもやったらしいけれども、予想図が掲載されていないので、本当にやったかどうかもわからない。
 
⑦の例
静岡県の場合、奥大井県立自然公園において工事が計画されている。自然公園内では、県条例によって採取・損傷の禁じられている植物種がある。しかしそれらの種に対して環境影響評価の対象とせず、環境保全措置を講じていない。また、県希少野生動植物保護条例で採取・損傷の禁じられている植物についても、その生育地を残土で埋め立てる計画である。

⑧知事意見で計画の見直しや再調査についていろいろと求められているが、ことごとく無視している。
 
⑨準備書において、トンネル工事で大井川の流量が減少するという予測が出されたため、これについて「渇水期はどうなるか」という説明を求める意見が多数出された。これに対し、JR東海が評価書で出した数字は、減少後の渇水期流量は現在の豊水期流量よりも多いというものであった。わけがわからない。
 
 
気付いた点をチェックしていったら90個くらいになってしまいました。しかもほぼ全ては準備書の段階で指摘されていたことばかりです。上に書いた①~⑦も、全てこのブログで再三取り上げたものです。
 
①、⑥、⑨のように、構成が間違っているようなことも訂正せずに、評価書にしちゃったようです。

ちょっとマズいよコレ…。
 
マズいっていうか、情けないよ…。
 

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