ネットで検索すると、ちらほらリニア反対&批判の記事が見つかります。関心をもつことはよいことです。しかしながら、そういうのを見ていてものすご~~~~~く不満が募るのも事実。
●あんなものいらない
●誰が乗るのか
●あんなアセス意味がない!
●情報隠ぺい!
●誰が乗るのか
●あんなアセス意味がない!
●情報隠ぺい!
いつまでもおんなじことの繰り返し…少し調べてから書けよ!!
別にネット上で何を騒ごうが個人の勝手なんだけれども、
何の根拠もなくいらない、あぶない、自然破壊、原発再稼働前提
と騒ぎ立てても
それはJR東海が何の根拠もなく必要、安全、環境は保全できる、原発には頼らない
と主張するのと同じ穴のムジナなんだと思うのであります。
環境影響評価書というものを、公式文書としてJR東海が作成し、ネットで公開してるんだから、文句があるならそれに基づいて批判すればいいのに、どうして誰もそれをやらずにわけもわからず○○の一つ覚えのように、ステレオタイプな反対論を繰り返すんだろう???
まあ、いいや
本題に入ります。
準備書が出されたときに、大井川の流量が2㎥/s減少するという記述があったことから、大騒ぎとなりました。しかし、このブログでは、どうも試算するにあたってメチャクチャな数字を前提としているんじゃなかろうかという疑問を投げかけました。
その疑念は評価書において、ますます強くなりました。
静岡県知事意見で、「渇水期はどうなるんだ」という指摘が出され、それに対するJR東海の見解が評価書に掲載されているのですが、その値がまたしてもメチャクチャなのです。
これがそのやりとり。静岡県版の評価書6-3-13ページより転載しています。
「渇水期の流量は以下の通りです」と書かれ、表には『現況の流量(解析)』とありますね。解析流量というのは、「コンピュータの中で自然環境を再現してみたところ、計算上はこのぐらいの流量が流れているはずである」というものです。あくまで理論上の値です。
これが実際の流量をうまく再現できているか、というのが重要となります。実測値に近ければ、モデル式は信頼できるといえるし、的外れな数字ならモデル式が信頼できなくなります。ところがJR東海は、ものすご~~~く肝心なこの検証作業をおこなっていません。ここの知事意見(左側)を見ると、ちゃんと説明せいっ!って書いてあるのになあ~
ここで、表の最下段「地点番号07 大井川(赤石発電所木賊取水堰上流)」というところにご注目ください。渇水期の流量は、理論上3.17㎥/sであるとしています。
そして、この地点番号07における通常時の解析流量は11.9㎥/sであるとしています(評価書の表8-2-4-5より)。
実はJR東海は、水質調査・予測のために、この地点番号07の下流約1㎞の地点で流量を実際に調査しています。この2地点を見比べてみます。
その調査結果はこちらの表8-2-1-6(1)にあります。紛らわしいですが、ここでは地点番号06としています。豊水期は2.99㎥/s、低水期は2.26㎥/sであったそうです(低水期という言葉の意味が不明ですが、渇水期と同じことを意味するのでしょう)。
ん!?
おかしくないですか!?
計算上、流れているはずの流量は通常時11.9㎥/sで渇水期は3.17㎥/sなのに、実際には、豊水期でも2.99㎥/sしか流れていなかった!!
分かりにくいと思うので、図にまとめてみます。
計算上の渇水期流量は、実際の豊水期流量よりも多い!?
豊水期の解析流量は、実測流量よりも9㎥/sも多く見積もっているのなら、減少後の9.87㎥/sというのも9㎥/s差し引いて考えなければならないってこと??
渇水期の解析流量は、実測流量よりも0.9㎥/s多く見積もっているのなら、減少後の1.63㎥/sというのも0.9㎥/s差し引いて考えなければならないってこと?
それとも取水の影響?
解析流量は取水されていない状況を表していて、実態に合わせるためには、さらに取水分を差し引けってこと?
完全に意味不明です。
こんなもの、信頼できません。
もちろん、モデル式が万全なわけがなく、完璧なものを求めるのは不可能です。しかし問題は技術論ではありません。
解析流量の問題は準備書の段階で再三指摘されているのに、全く修正も検証も解説もしないで評価書に掲載したというのが大問題なのです。
評価書はれっきとした公式文書なのに、こんなものを世に送り出すとなれば、恥知らずというか、確信犯というか、情けない。