最近どうも体調が悪く、ブログから遠ざかっております。不眠症なんですよ…
夜中にパカパカ目が覚めてしまう…
リニアの評価書なんですけど、何度も繰り返した通り、1997年の環境影響評価法制定以降、まれに見るひどいシロモノなんじゃないかと思うのであります。
JR東海のページ
先日、長野県から知事と関係市町村長が環境省へ直訴をしたそうですが、こういうことが起こるのも極めて異例でしょう。現在、北海道新幹線や北陸新幹線の延伸工事が行われていますが、こんなことは起こっていないし、他の事業でも、原発の事例を除き、知事自ら”民間事業”の評価書内容に対して環境省へ直訴するなんて聞いたことがありません。
http://www.shinmai.co.jp/news/20140514/KT140513ATI090008000.php
http://www.shinmai.co.jp/news/20140514/KT140513ATI090008000.php
環境影響評価というのは、事業の実施に先立ち、環境に与える影響を予測・評価し、市民や自治体の声を考慮して環境保全措置を考えてゆく制度とされています(環境影響評価第1条)。
事業者と住民・自治体とがコミュニケーションをとる場でもあります。
え~とですねえ、わたくし、静岡県版の評価書全部と一部他県の評価書に目を通しました。
で、ブチ切れました。
JR東海さん、
あんたら、何様のつもりですか?
ここに、沖縄県の辺野古米軍基地建設計画の評価書に対し、日本自然保護協会が出した意見書があります。
こちら辺野古埋め立てアセスもひどいもので、「史上最悪のアセス」とまで酷評されてきましたが、それでもリニアのアセスよりはマシです。
辺野古埋め立てアセスの評価書は、一応、必要な調査・予測が行われています。その結果に対して無理やり「影響がない」と言い張っているので、日本自然保護協会はじめ各方面から、調査結果に対して批判が出されました。言ってみれば、結論ありきの評価書に対する批判です。
ところがリニアの評価書(静岡県版)はさらに低レベル。必要な調査をおこなっていないんです。だから批判もしようがない。さらに住民意見はもとより市町村や県知事の要請にも全く耳を傾けない。
リニアのような大事業を行うとしたら、どうしても犠牲が避けられません。
バカでかい高架橋や車両基地の出現により、何百という家屋が移転を余儀なくされるに違いありません。そしてそこに育まれてきた地域社会も、歴史・伝統も、将来も、地上から消し去ってしまうかもしれない。
膨大な残土を処分するためには、何百年と受け継いでた田畑や、多くの生き物を生き物をはぐくむ森や原っぱや川を、この世から消し去ってしまうにありません。
長大なトンネルを掘れば、遠い昔から多くの生命をはぐくんできた川を枯渇させ、金輪際消し去ってしまうかもしれません。
我が国を代表する美しい南アルプスの山河もメチャクチャに破壊してしまうに違いありません。
JR東海という企業が、東証一部上場の超一流企業だか、世界一の東海道新幹線を運営してるすごい企業だか何だか知りませんが、所詮は一民間企業。その一企業が、自社の思うが儘に人々の大切にしているものを奪い去ってよいはずがありません。
とはいえ、どうしてもリニアというものを造らねばならず、それを壊さねばならないのなら、最低限の礼儀と作法を守らなければなりません。そのひとつが、最善を尽くして環境影響評価をおこなうことだと思うのであります。失われゆくものへの、せめてもの償いとも言えるかもしれません。何でもかんでもカネじゃすまないんですよ。
辺野古埋め立てアセスを行った防衛省には、まだその姿勢が見えたけど、JR東海には全く感じられない。
環境影響評価さえ満足に(行えないのではなく)行わないのだから、この会社に生活環境と自然環境とを壊す資格はないと思います。
この評価書(静岡県版)、はっきり言って社会をナメてます。