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Channel: リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい?
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聞く方も答える方も「何だかな~」な静岡リニア説明会

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昨日18日、静岡にてリニア中央新幹線の工事説明会が開かれました。
 
イメージ 1
 
会場で配られていた評価書あらましの冊子。中身は準備書と対して変わらない。
 
 
18:30に開始。工事説明会というよりは評価書説明会といった印象。ざっと見渡して250~300人ほど。圧倒的に男性が多く、中高年の方ばかりで若い方々は少ない印象。
 
19:10質疑開始。以下、自分のメモをもとに質疑のやりとり概要。
【一人目 焼津市 男性】
説明会の周知が不誠実で不満がある、全く知らされていなかったという怒声。それに応じて会場の所々からも同調の野次。事態収拾まで数分経過。結局質疑らしい質疑にならず。
A.当社のHPに掲載した。県やマスコミにも広報はしたつもり。
(作者注)前日17日朝刊の静岡新聞社会面の記事に、結構大きく扱われていた。大手新聞の県内版については知らない。
 
【2人目 神奈川県相模原市 男性】
リニア反対グループのメンバーとのこと。JR東海の姿勢に不満をぶつける演説開始。質疑になっていない。
 
【3人目 静岡県議会議員 男性】
上に同じ。
 
【4人目 静岡県労働組合評議会 男性】
Q.1 どこにどれだけの発生土を置くのか教えてほしい。それが分からないのは、地元としては理解以前の問題である。扇沢は地すべり、燕沢も大崩壊地であって危険である。
A.扇沢に地すべりのあることは認識しているが、ボーリング調査で岩盤を確認しているので大丈夫だと問題ないと考える。燕沢は崩壊が進んでいるが、最近砂防ダムが設置されてからは土砂の流出が減って安定していると考えている。どこにどれだけ置くかというのはこれから関係機関と打ち合わせを行って決めてゆく。
 
Q.2 南アルプスではユネスコエコパーク登録の次に世界自然遺産登録の構想があるが、リニアの工事によって実現不可能になるのではないか。
A.「環境影響評価書 資料編7 南アルプスユネスコエコパークについて」の説明を読み上げる。
(注)質問は世界遺産登録についてであってユネスコエコパークのことを尋ねたわけではない。つまり答えていない。
Q.3 写真撮影禁止、マスコミ排除など、地元の理解を得ようという姿勢にはみえないが。
A. これで十分と認識している。
 
【5人目 焼津市 男性】
Q.1 地震災害に備えて東海道新幹線の代替機関という位置づけだが、トンネルは大丈夫か?
A. トンネルは地山と一体化しているし、構造物のような揺れの増幅がないからより安全である。
 
Q.2 東海道新幹線の代替機関とするには、リニアの輸送力は小さくないか?
A. 東海道新幹線と分担するので大丈夫。
 
Q.3 無視できない環境被害が生じた場合、補償はどうするのか?
A. 被害を出さないようにアセスをおこない、環境保全措置を考えている。被害は起きない前提で計画を進めているので、仮定の話には答えられない。こうした進め方でよいという国のお墨付きを得ているので大丈夫である。
 
【6人目 浜松市 男性】
Q.1 トンネル湧水をくみ上げて川に戻したら鉱毒被害が生ずる。
A.実際に河川流量が減るかどうかも分からないので、そもそもくみ上げて戻すかどうかは未定。実際に減ったらくみ上げることも考える。ボーリング調査の結果、地質条件から鉱毒被害は生じないと考えているし、トンネル湧水は適切に処理するので問題ない。
 
Q.2 トンネル湧水はものすごく高圧と予測されるが、防水対策でとまるのか?
A.完全に止まるとは考えていないが、透水率を下げることは可能とみている。
 
Q.3 アセス開始以前に流量調査をしていたのであれば、ルート選定時にその結果を考慮することが可能ではなかったのか?
A.アセス開始以前の調査は運輸大臣による調査指示に基づくものである。
(注)全く答えになっていない。質問中に司会者が「要点をまとめてくれ」と発言し、質問が中途半端に終わった印象。
 
【7人目 静岡市 男性】
Q. 県道井川湖御幸線を大量の工事用車両が通行する。生活空間に大量の車両が通行することによって健康被害や地元車両への影響が心配される。
A. 工事量車両の通行ルートは一本だけでなく、複数を考えている。要所には交通誘導員を配置する。アセスで健康被害は生じないと予測している。
(注)県道井川湖御幸線は静岡市中心部から井川ダムに向かう道。途中に標高1200mの峠越えがある。
 
【8人目 静岡市 男性】
Q. 8割がトンネルであるが、地震でトンネルが破断するのでは?
A. 断層はなるべく短く通過する。NATMは地山と一体化するので地震には強い。断層破砕帯はロックボルトの数を増やす。
 
【9人目 島田市議会議員 男性】
Q.1 大井川の流量減少が生じた場合、トンネル湧水を汲み上げて戻すということだが、具体的な工法は?
A. 実際に河川流量が減るかどうかも分からないので、そもそもくみ上げて戻すかどうかは未定。実際に減ったらくみ上げることも考える。青函トンネルの事例からみて不可能ではないと考えている。
 
Q.2 長野県大鹿村では、「地元の理解を得るまで着工しない」という話があったと聞いている。静岡における「地元」とはどこを想定しているのか?
A. 地元を代表する協議会のようなものを想定している。説明会でもご理解をいただく。
 
【10人目 静岡市 男性】
要点の不明瞭な演説。質疑が成立せず。
 
このようなやり取りでありました。殴り書きのメモを基にしているので、不正確な点もあるかもしれませんがご容赦ください。

うんざりというのが正直な印象。
 
質疑が成立していません。
 
 
もとより制限だらけであることは、方法書説明会、準備書説明会および工事説明会で先行した地域の状況をみれば明らかです。そんな中で運よくあてられた人は、その瞬間、まさに地域を代表する人になるのですから、個人的な感傷を爆発させたり、演説で時間を浪費させることは抑えてほしかったなあと思います。
 
静岡新聞の記事だと、質問の手が挙がっていたのに、一方的に閉会させたJR東海の姿勢はいかがなものかというニュアンスで書かれていたけれども、「終了予定時間は20:00」と予め言われていたのにもかかわらず、一人で時間を独占する人の姿勢もどうかと思うのです。
 
質疑開始直後の野次で一時進行がストップし、10人中3人は長々とした演説で終わってしまって具体的な質問や指摘は出てこなかった。この4名だけで大半の時間を費やしていたと思います。
 
もしかしたら鋭い指摘をすることのできた人が11人目、12人目にいたかもしれないと思うと、実に残念です。
 
それからひっきりなしに野次を繰り返す男性が数名。何だありゃ?
 
言いたいことがたくさんあるという思いは皆がもっているのだから、限られた時間を有効に使うために、せめて言いたいことをメモして読み上げるぐらいの配慮は欲しかったと思うのでありました。
 
事情が全く異なると言ってしまえばそれまでだけれど、大鹿村の状況とはえらい違いだなあ…。
http://shuzaikoara.blog39.fc2.com/blog-entry-359.html(大鹿村説明会での状況)
 
静岡市での説明会はこれにて終了。
 
県内では、井川地区と大井川の利水関係者向けの説明会が開かれる予定。

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