静岡では、NHKにて金曜日の19:30より、ビゲーション中部という番組が放送されています。NHK名古屋放送局が制作た番組らしく、いつも名古屋か北陸の話題が放送されています。
個人的には滅多に見ることのない番組なのですが、本日は
『リニアインパクト ~リニア開業で何が変わるのか~』
という題した放送でしたので、とりあえず見てみようと考えておりました。
この放送内容を知ったのはさる7日の日曜日。19:00前の天気予報を見て、そのままつけっぱなしにしていたら番組予告で流されたのでありました。その予告の際に流されたナレーションが、NHK名古屋放送局の番組紹介欄にそのまま載っているので、コピペさせていただきます。
今月、リニア中央新幹線が着工に向け動き出します。13年後には東京と名古屋がわずか40分で結ばれる“リニアインパクト”。経済効果だけでなく、国の構造までも変えると考えられています。一方で、“ストロー現象”によって消費やビジネスが吸い上げられ、東京への一極集中を加速させる懸念もあります。リニア中央新幹線は地域に何をもたらすのか、いま何をすべきなのか考えます。
名古屋がメインの番組ですが、静岡でも放送されるのであるから、一応は静岡での懸念事項をそれなりに名古屋方面に伝えてくれるであろう…と考えておりました。
「皆様のNHK」ですから。
で、番組を見てみたのですが…
バカにしてんのか?
名古屋放送局!
名古屋放送局!
このブログ、マスコミがリニア計画の問題点を取り上げないことについて時々憂慮してきましたが、今回、初めてキレました。
名古屋の番組が名古屋での経済効果を考えるのは別に構わない。
どうやってゼニ儲けにつなげるか、いかに世界の注目を集めるか、いかに名古屋から首都圏への富の流出を食い止めるか、それらをレクチャーするのも構いません。
ただ、このリニア中央新幹線というものを建設するためには、当たり前のことですが、大きな工事が必要となります。
大きな工事を行うことで、沿線には大きな環境破壊を与えます。しかもその環境破壊を受けるのは、直接リニア開業のメリットとは何の関係もない地域です。
すなわち、リニア開業による名古屋の経済効果というものは、「犠牲のうえに成り立つもの」ではないかと思うのであります。利益を受ける地域と被害を受ける地域とが全く一致していないわけです。
―この点に限れば、原発よりも性質が悪いんじゃないかと思うこともあります。原発で造った電力は地元でも使うし、それなりに雇用も生み出される…リニアは南アルプスに何かメリットをもたらすでしょうか? 長野県大鹿村の説明会では、リニアは村に何のメリットをもたらすかと尋ねられ、「正直、申し上げられることはありません」という回答をよこしたということです。なお私は原発を賛美しているわけではないので誤解なされぬようお願いします。―
リニア中央新幹線というものは、それを宿命として備えているシステムなのですから、一方の「利益を受ける地域」での”利益だけ”を取り上げた番組というのは、被害を受ける地域というものが現実に出現する以上、片手落ちと言うべきでしょう。
言いたいことを理性的に考えるとこんな具合です。
もっと感情的に書くとこうなります。
リニア建設によって、静岡では南アルプスや大井川をメチャクチャにされるっていうのに、それに完全に無視して名古屋での経済効果だけを取り上げた番組を、なぜあえて静岡で放送するんだ!?
この番組、静岡に流されることは、名古屋放送局の番組製作スタッフも当然知っているはずです。それなのになぜ…?
今週の8日月曜日、NHKの看板番組「クローズアップ現代」では、残土の処分場が不足している実態をとりあげていました。ほんの少しだけ、リニアの発生土も取り上げられていました。これについて、リニア建設による発生土はインタビューを交えて詳しく取り上げられる予定だったものの、放送直前になって急きょ扱いが小さくなったらしいということを伝え聞いております。
⇒http://shuzaikoara.blog39.fc2.com/blog-entry-364.html
私自身は当事者でも何でもないので詳細は不明ですが、確かにNHKは、リニアの問題を避け続けているような気がしてなりません。
NHkさん、なにかおかしくないですか?