冷え性でして、そのうえ暖房の効かない部屋にいるので、指先がやたらと冷たくなってしまい、しもやけができてしまったり、キーボードをたたくのが非常に億劫になり、更新が滞っています。
えーと、リニア計画の話です。
国土交通省から事業認可を受け、品川駅と名古屋駅で”着工”してから一月後の昨年12月19日、東京都内にてJR東海主催の「第1回 大井川水資源検討委員会」なる会合が開かれました。
http://company.jr-central.co.jp/company/others/oigawa_committee/index.html
http://company.jr-central.co.jp/company/others/oigawa_committee/index.html
(JR東海のホームページ)
南アルプスの長大トンネル掘削に伴い、大井川の流量が大幅に減少するとJR東海自らが予測し、流域に不安が広がりました。県のほうで中央新幹線環境保全連絡会議という専門家会議を設置して対応していますが、それとは別にJR東海側が主体となって設置した専門家会議です。
トンネル工学の専門家などが集って「どうやったら流量減少を抑え、水資源への影響を小さくできるか」という議論をしていたそうですが、議事録は公開されていないので詳細不明です。
この第1回会合でJR東海が提案し、専門家から現実的な案として検討すべしとされた「導水路建設案」「ポンプアップ案」について、当ブログではどちらもムダという指摘をしました。
(12/20 当ブログ記事)
ところで、この大井川水資源検討委員会には、いろいろな資料が提出され、それがインターネット上でPDFファイルとして公開されています。
その中でも気になるのがこれ。
JR東海ホームページ掲載資料を複製・加筆
赤く細い線が、たぶん断層破砕帯=水の通り道
地質平面図です。解像度の都合や凡例の不表示により、細かいところまでは目が行き届きませんが、少なくとも環境影響評価書に掲載されたものよりは詳しいつくりになっているようです。
どうも、川と2本断層(岩の割れ目)とが交わっていて地下に大量の水を引き込んでいそうな点を、わざわざトンネル(本坑・斜坑ともに)でぶち抜くようだし、扇沢の発生土置場の方には地すべりらしきものが描かれています。
ここにある各種調査は、どうも平成23年6月に始まった環境影響評価によるものではなく、国鉄時代の調査、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構による調査を合わせ、平成20年までに作成されていたようです。
環境影響評価書を複製
ということは、この地質図については計画段階環境配慮書(平成23年6月)や、環境影響評価方法書(平成23年9月)に掲載することが可能であったはずです。
自分も含め、一般人にとっては難解なものですけど、それでもアセスの始まった時点で詳細な調査結果が公表されていれば、専門家が検証することや、市や県の審査会議において議論の材料とすることが可能であったことになります。市や県の審査会ですから公開で審議が行われますし、住民や関係する行政機関からの指摘を議論に反映させることも可能であったわけです。
希少動植物のように、生息地の情報が公開されると乱獲のおそれがあるものならば、非公開にせねばなりませんが、地質の情報を公開されて困ることなど、あるはずがありません。「環境に配慮している」のであれば、なぜオープンな議論が可能であった段階で、こうした重要な資料を公開しなかったのでしょう?
大井川におけるアセス開始以前の流量調査と全く同じ問題です。
(12/24 当ブログ記事)
なぜ、情報の公開が後出しになり続けるのでしょうか…?