ここのところ書いてきたことのまとめ…になるのかな?
ココの部分をよ~く覚えていただきたいと思います。
東海道新幹線建設時の1960年の総人口
9342万人 うち15~64歳5707万人 0~14歳2807万人 年人口増加率プラス1%
9342万人 うち15~64歳5707万人 0~14歳2807万人 年人口増加率プラス1%
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2010年の総人口
1億2801万人 うち15~64歳8174万人 0~14歳1684万人
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リニア完成から15年後の2060年の総人口予測
8674万人 うち15~64歳4418万人 0~14歳 791万人 人口増加率マイナス1.4%
8674万人 うち15~64歳4418万人 0~14歳 791万人 人口増加率マイナス1.4%
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総人口は2/3に、15~64歳人口は1/2にまで減少してしまいます。「のびしろ」と言うべき子供の人口にいたっては1/3以下です。
総務省統計局人口推計年次http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000000090004&cycode=0
国立人口問題研究所http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/h1_1.html
国立人口問題研究所http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/h1_1.html
より引用
バブル期からの約20年間、東海道新幹線や航空機を利用して東京~大阪を行き来する人々の人数はあまり変化がありません。人口も経済成長も頭打ちになったためだと思います。
ここ10年間の東京-大阪での航空機での旅客輸送量と、東海道新幹線での旅客輸送量を掲げます。
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各年度の航空輸送統計速報、JR東海のHPより作成
もとのデータでは航空機での旅客輸送量は人数ですが、単位をそろえるために東海道新幹線の営業キロ数をかけてあります。
2007~2008年が合計輸送量のピークとなっていますが、一貫して増え続けてきた日本の総人口が頂点に達した時期と一致します。なお2009年に一旦落ち込んでいますが、これはリーマンショックの影響とみられます。
また表を見ると2005年ごろから東海道新幹線利用者が若干増加していますが、これは品川駅開業効果でしょう。裏付けるかのように、入れ替わって航空機利用が落ち込んでいます。
仮に2060年にも、人々が東京-名古屋-大阪を行き来する必要性や頻度が現在と全く変わらないとしたら、需要は現在より3~4割は減少します。市場が7~6割の規模に縮小した状況下で、リニア中央新幹線という新たな輸送機関が完成し、東海道新幹線と合わせて輸送力が2倍に増えるわけです。
これだけ大幅に市場が縮小してしまえば、現状で東海道新幹線の2割程度しかない航空機利用客が全てリニア利用にシフトしたとしても、人口減少分をカバーできるものではありません。
現在の東海道新幹線の輸送量を1とします。
表の最下段に記した数字をもとに、航空機利用者が全て東海道新幹線に移行した場合、1.09になります。
半世紀後の2060年、総人口の減少に比例して輸送需要も1.2から35%減少すると仮定すると0.71になります。
0.71をリニア中央新幹線と東海道新幹線とで分け合うと0.36になります(北陸新幹線、LCCの動向、高速バスの動向を考えると、0.36よりは小さな値になると思います)。
さらに需要を総人口ではなく15~64歳人口(46%減)に比例すると仮定した場合は0.28にまで小さくなってしまいます。
現在の輸送量433億人キロが3割に減ると130億人キロ。これは現在の東北新幹線とほぼ同じ数字です。もっとも東北新幹線のほうが路線が長いので、正確に言えば東北新幹線より大きな輸送量は保っていられます。
とはいえ、これで9兆300億円(消費税・利子は含まず)の建設費を払えるかというと甚だしく疑問。
国交省の審議など公的には
「JR東海の東海道新幹線購入時の負債はピーク時5兆円だったけれども、これを返済してきた実績があるから大丈夫」
という話になっているようだけれども、よくよく考えれば東海道新幹線の購入費は「東海道新幹線&需要(人口)増加&高度成長期」という条件に支えられてきたからこそ返済が順調に進んでいるわけです。
「JR東海の東海道新幹線購入時の負債はピーク時5兆円だったけれども、これを返済してきた実績があるから大丈夫」
という話になっているようだけれども、よくよく考えれば東海道新幹線の購入費は「東海道新幹線&需要(人口)増加&高度成長期」という条件に支えられてきたからこそ返済が順調に進んでいるわけです。
2045年以降には東海道新幹線購入時の負債がゼロになり、その利益は全てリニア建設費(JR東海によれば負債はピーク時でも5兆円以下らしい)返済に回せるとしても、東海道・リニア合わせて現在の7割程度しか望めない輸送量で返してゆくことは可能なのでしょうか。しかも建設費は9兆300億円で収まるかどうかは分かりません。2060年以降も人口が減少してゆく可能性だって大いにありえます。
私の脳ミソではこれ以上の追及は不可能なので、どなたか続きを計算していただけませんか・・・?
10兆円もかけて路線を2本に増やし、それぞれ現在の3割程度の乗客を運ぶ-あるいは片方を立てて一方は激減させる-ことに何のメリットがあるのか、さっぱり分かりません。
人口推移予測からではこのような懸念が生じるのですが、JR東海や国土交通省はどのようにみているのでしょうか?
JR東海や国交省の予想によれば、スピードアップで新規需要が次々掘り起こされ、現在の東海道新幹線の輸送量1に対して2045年にはリニア+東海道新幹線とで1.22~1.58になるから万事OKとのこと(平成22年5月10日国土交通省中央新幹線小委員会提出資料「超伝導リニアによる中央新幹線の実現について」29ペー目より)。
いくらなんでもムリだと思う。
この予測についてJR東海の主張では、
「当社の収入見通しは、将来の経済成長等を説明変数としたモデルによる需要予測ではなく、現行の収入を維持しながら、超伝導リニア開業による変化について、これまでの航空機との競争の中で蓄積したシェア変動の実績をベースに想定する方法を採っている。」
なのだそうです(中央新幹線小委員会提出資料「超伝導リニアによる中央新幹線の実現について」9ページ目より)。
「当社の収入見通しは、将来の経済成長等を説明変数としたモデルによる需要予測ではなく、現行の収入を維持しながら、超伝導リニア開業による変化について、これまでの航空機との競争の中で蓄積したシェア変動の実績をベースに想定する方法を採っている。」
なのだそうです(中央新幹線小委員会提出資料「超伝導リニアによる中央新幹線の実現について」9ページ目より)。
「これまでの航空機との競争」というのは、一貫して人口増加&経済成長が続いてきた社会におけるものであるはずです。
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東海道新幹線開業以来、今まで人口が減少したことはありません。人口増加社会での、航空機相手のシェア争いでの実績をベースに人口減少社会の需要予測をおこなう…って、大丈夫なんでしょうか?
まさか、人口すなわち需要そのものが減ってゆくのは、ひょっとしたら想定外なんてことはないでしょうね・・・?