JR東海の考えている、燕沢付近平坦地への発生土計画についての考察を続けようと考えていましたが、トンデモない話がまた出てきため、そちらについて考えようと思います。
3月10日に、静岡県庁で第4回中央新幹線環境保全連絡会議が開催され、このほど、その際の議事録が公開されました。http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-050/assess/rinia/kaigi.html
議事録によりますと、冒頭で、JR東海が昨年12月に自主的に開いた大井川水資源検討委員会の報告がなされたようです。会議の名称が2種類ありますのでご注意ください。
大井川水資源検討委員会で、流量が減少した場合の対策として、
「毎秒2トンが早川へ流出するのなら、その分を早川から大井川へ引っ張ってくればいい」
という案が出されたとの報告が中央新幹線環境保全連絡会議にておこなわれ、これに対して静岡県中央新幹線環境保全連絡会議のメンバーから「大変よろしい」とお褒めの言葉があったようです。
これがその部分。
あ、ありがたいって…
ホントですか?
ちょっと冷静に考えていただきたい。。。
具体的なことは全く分からないので、あくまで推測の域を出ません。しかし、推測するにしても、これまたとんでもない計画のように思われるのですが…
アセスにおいては、大井川の二軒小屋取水堰付近において、毎秒2トンの流量減少が予測されました。
⇓ 拡大
環境影響評価書を複製・加筆
この二軒小屋の標高は、おおよそ1350mです(図中では地点05の標高は1390mとしているが、水を運び入れるべき貯水池の標高は1350m程度)。ここに東隣の早川から導水路トンネルで水を引っ張ってくるのなら、早川での取水口は、標高1360mぐらいに設けなければなりません。
地図で早川の川底が標高1360mとなる地点を探すと、二軒小屋から20㎞も北の、北岳や鳳凰三山にはさまれた場所になります。登山や渓流釣りをなさるの方には、広河原山荘の下流2㎞ぐらいといえば通じますでしょうか?
断片的な情報から導水路トンネルの位置を推測すると、このようになります。
まあ、確かにこのように水を引っ張ってくれば、毎秒2トンの流量減少をおぎない、下流部での利水への影響はなくなるでしょう。ただし早川水系の水力発電所は使い物にならなくなりますが。。。
っていうか。。。
う~ん・ ・ ・ ・ ・。
早川に住んでいる動植物への影響はどうなるんだ?
20㎞ものトンネルを掘ったら、また途中で水を引き込むんじゃないのか?
20㎞ものトンネルを掘ったら、余計な発生土がさらに数十万立方メートル増えるんじゃないのか?
っていうか、それ以前に
自然破壊を自然破壊で解決することって、それって解決なのか??
これ以上、穴を増やしてどーする!!
ちなみに、早川の標高1360m付近は南アルプス国立公園第3種特別地域内であり、ユネスコエコパーク緩衝地域でもあります。
それから、「環境保保全連絡会議」という場において、このように環境への影響を全く考えていない環境保全措置(変な言葉)を賛美する委員というのは、果たして適切な人選といえるのか、はなはだ怪しいような気がいたしました。