南アルプスのトンネル計画について、リニア計画や南アルプスの環境保全に関心を持つ人々はもとより、「リニア反対派」の間でも、いまだに概要が伝わっていないようなので、簡単にまとめてみた。
こちらのリンク先をご覧いただきたい。
ところで、一番の誤解というか、伝わっていないと思われることは、トンネルの長さである。「南アのトンネルは50㎞」とよく言われるが、正しくは違う。
確かに列車の走行するトンネルの総延長は約52.5㎞であるが、実は作業用トンネルの方が長いのである。現段階(2015年5月)にまで公表された、その他のトンネルの総延長は、事業主体が山梨県となる早川芦安連絡道路を含めると、約74㎞にも及ぶ。したがって合計は126㎞にも及ぶのである。
こんなにたくさん、余計なトンネルを掘るのだから、発生土の量がやたらと多くなっているし、河川流量の減少量も多くなってしまうのである。
つまり、工事による環境負荷がメチャクチャなものになっている理由は、2027年開業に間に合わせるために多数の斜坑を掘らなければならないという、無理やりな工期設定にあるといえる。