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世界遺産地域へのトンネル建設却下、ニュージーランド
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130717-00000055-jij_afp-env
7月17日(水)19時58分配信
7月17日(水)19時58分配信
【AFP=時事】ニュージーランド政府は17日、同国の南島(South Island)で世界遺産に指定されている地域に全長11キロのトンネルを建設する計画を、環境への影響が大きすぎるとして却下した。
トンネル建設会社「ミルフォード・ダート(Milford Dart)」が申請したのは、クイーンズタウン(Queenstown)のスキー場から、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産に登録されているフィヨルド「ミルフォードサウンド(Milford Sound)」をつなぐルート上のトンネル建設計画で、バスや自動車で観光客を輸送する時間の短縮を目的としていた。
しかし同国のニック・スミス(Nick Smith)環境相は、環境と安全の観点からこの申請を却下。「国立公園は特別な場所であり、アスパイアリング山(Mount Aspiring)とフィヨルドランド(Fiordland)国立公園のような絶景はほとんどない」と報道陣に語った。
スミス環境相は、トンネルを建設した場合に国立公園内に捨てられるがれきの量が50万トンに上るとし、ニュージーランドで最も有名なハイキングコース「ルートバーントラック(Routeburn Track)」を破壊することになると説明した。またこれだけ長いトンネルが、申請された予算1億4200万ドル(約140億円)だけで完成できるかという点にも疑問を呈した。
計画に反対していた環境活動家らはこの決定を歓迎している。
以上、引用終わり
「ミルフォードサウンド」という場所に行ったことはありませんが、調べてみると確かに素晴らしく美しい場所。ニュージーランド南西部、サザンアルプスが海に落ち込む場所にあり、深く切れ込んだフィヨルドと雪をまとった険しい山々、深い原生林が織り成す絶景の地です。ここをつなぐハイキングコースは「世界で最も美しい散歩道」とも称されるほどで、最近では日本の観光パンフレットやアウトドア雑誌なんかでもよく取り上げられます。
これは英断と言うべきでしょう。
そんな場所に残土なんて山積みにしたら美しい景観は台無しになるでしょうし、工事で生態系が破壊されてしまいます。
ところで記事を見ると「がれきの量は50万トン」なんだそうです。
がれきとは残土のことだと思います。
こちら日本のサザンアルプス(つまり南アルプス)で発生する残土の量は少なくとも600万立方メートル。砂岩の比重2.2~2.7t/㎥を掛けて重量に換算すれば1320~1620万トン。現在の計画通り、甲府盆地、南アルプス山中3ヶ所、伊那谷の計5ヵ所から掘り出されれば、南アルプス山中へは792~324~972万トンが発生します。
JR東海がそのうちどの程度を南アルプス山中に投棄するのか分かりませんが、ニュージーランドの例とは桁違いの量になることだけは確実です。
ニュージーランドでは50万トンで重大な懸念が生じるのなら、数百万トンが発生するリニアのトンネル工事はどれほど自然破壊をするのでしょうか?
ニュージーランドでは50万トンで重大な懸念が生じるのなら、数百万トンが発生するリニアのトンネル工事はどれほど自然破壊をするのでしょうか?
そしてなぜ日本の環境省はだんまりを決め込んでいるのでしょう?