山梨県内では、リニアの南アルプストンネルからの大量発生土を早川芦安連絡道路の整備や駐車場造成に使うという計画があります。これは早川町北部と南アルプス市芦安地区とを、長大トンネルで結ぼうというもので、坑口近くの地上区間で、橋をかけずに大規模な盛土で谷を埋めてしまおうというものらしい(盛土区間の位置は公式には不明)。
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という報道がありましたが、現在の進捗状況については分かりません。
なんでも詳細な検討の結果、、
①中尾澤橋(L50・5m)
②滝見橋(L41・8m)
③奈良田橋(L126・3m)
④慶雲橋(L43m)
⑤蓬莱橋(L37m)
⑥早川大橋(L111・6m)。
前置きが長くなりましたが、私が非常に気になるのは、山梨県内にて事業計画が進む一方なのに、環境保全対策はどこに行っちゃったんだろう?という点です。これは自然破壊を許せない…っていうよりも、むしろいろいろなことがあまりにも説明不足で不自然ぢゃあるまいか?
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早川芦安連絡道路の建設予定地は、地図上で測ってみるとリニア・南アルプストンネル坑口から北に17㎞ほど離れており、そこまで通じる県道には、幅の狭いところや老朽化した橋梁が複数存在するそうです。
道路状況についてはGoogleEarthのストリートビューで確認できるので、興味ある方はご覧ください。また、今年4月に書かれたものですが、ジャーナリスト樫田氏のブログに記事があります。
http://shuzaikoara.blog39.fc2.com/blog-entry-555.html
http://shuzaikoara.blog39.fc2.com/blog-entry-555.html
この道路整備計画については、今年4月の山梨日日新聞において
「残土の運搬は11月に始まる予定で、県は4月をめどに木の伐採など残土搬入に必要な準備工事を始める。今後は約3.5キロのトンネル区間の詳細設計などを進め、総事業費や完成時期を検討する。また、残土を載せたトラックが通る南アルプス公園線は、橋の補強工事も実施する。」
という報道がありましたが、現在の進捗状況については分かりません。
何だか、いろいろなことを決めないまま、なし崩し的に事業を始めたようですが、最近になって事業費が増した、という報道がありました。
なんでも詳細な検討の結果、、
①中尾澤橋(L50・5m)
②滝見橋(L41・8m)
③奈良田橋(L126・3m)
④慶雲橋(L43m)
⑤蓬莱橋(L37m)
⑥早川大橋(L111・6m)。
以上6つの橋について、残土を積んだダンプカーの通行に耐えられるようにするためには、24憶7700万円が必要になることが判明したそうです。
当初計画していた事業費より17憶7500万円の増額だそうです。すると7憶200万円から3.52倍に増えたってことになりますね。。。
前置きが長くなりましたが、私が非常に気になるのは、山梨県内にて事業計画が進む一方なのに、環境保全対策はどこに行っちゃったんだろう?という点です。これは自然破壊を許せない…っていうよりも、むしろいろいろなことがあまりにも説明不足で不自然ぢゃあるまいか?
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橋の改修工事が必要な区間から早川芦安連絡道路の新設予定地一帯は、全域が山梨県立南アルプス巨摩自然公園に含まれています。
このうち、特に早川芦安連絡道路の西側坑口~取り付け道路付近は、規制の強い第2種特別地域に指定されています。
早川芦安連絡道路と山梨県立南アルプス巨摩自然公園との位置関係
山梨県庁ホームページより複製・加筆
また、西側の地上区間は南アルプスユネスコエコパークの緩衝地域にも指定されています。緩衝地域というのはユネスコエコパークに指定された土地の保全区分において、中段階の保全レベルとなっているんですが、この道路整備が緩衝地域の求める要件を満たしているのか分からないのです。
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現状では、静岡市では市独自の管理運営計画が策定されています。しかし、山梨県側(長野県側も)では存在しないらしい。つまり南アルプスユネスコエコパークは3県にまたがるものの、実は統一された管理計画はいまだ存在しない。
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今年秋に案をまとめ、今年度中(来年春先まで?)に策定する予定だということです。
早川芦安連絡道路と南アルプスユネスコエコパークとの位置関係
静岡市ホームページより複製・加筆
ちなみにJR東海はリニア計画にて「緩衝地域での地上での改変はしない」と宣言していますが、山梨県は改変を行うつもりなので、このダブルスタンダードは何なのだろう?という疑問もあります。しかも、移行地域で掘り出された発生土を、より環境保全レベルの高い緩衝地域に運び入れるのは、簡単には理解しがたい。
そういえば2014年には、早川芦安連絡道路の設計や各種調査を行う業者の入札が行われていますが、その際には環境調査も業務内容に含まれています。今年になって「間もなく着工」というニュースが報じられた以上、環境調査は実施されたはずです。
その結果はどうなったのでしょう?
静岡市の場合、リニア事業対策として、市独自の南アルプス環境調査が平成26年度から毎年行われ、結果がホームページに掲載されています。ところが山梨県が委託したはずの早川芦安連絡道路の環境調査結果は、どこを探しても見つかりません。
環境影響評価書に係る国土交通大臣意見では、新たな改変行為を行う際には、新たに自然環境の改変を行う場合には改めて環境影響について、調査、予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講じることとしています。けれども、早川芦安連絡道路についてはどうなっているのか、じぇんじぇん分からんですねぇ。
また同じく大臣意見では、発生土の取り扱いについて次のように述べています。
とありますが、これについてもJR東海、山梨県双方がどう対処しているのか分かりません。今のところ、表向きには適切な措置をとっていることを表明してないんだから、山梨県政は国土交通大臣の意見を蹴飛ばしたのかもしれません。すげぇ。
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同じ南アルプスユネスコエコパークであっても、その中での改変行為に対する行政側の姿勢には、県によってだいぶ違いがあるなぁと感じます。
「リニア計画に対する期待度が全く違う」と言ってしまえばそれまでですが、もう一つの理由として、ユネスコエコパークの保全管理計画の曖昧さも一因じゃないのかなあと思います。
現状では、静岡市では市独自の管理運営計画が策定されています。しかし、山梨県側(長野県側も)では存在しないらしい。つまり南アルプスユネスコエコパークは3県にまたがるものの、実は統一された管理計画はいまだ存在しない。
ついでながら、これは今年5月14日の静岡新聞記事です。
今年秋に案をまとめ、今年度中(来年春先まで?)に策定する予定だということです。
早川芦安連絡道路は、完成すればユネスコエコパークの重要なアクセス道路となるのでしょうが、それが、ユネスコエコパーク管理運営計画の策定を待たず、そればかりかブラックボックスのようなやり方で整備されることはふさわしくないでしょう。