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Channel: リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい?
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早川芦安連絡道路でのリニア発生土転用は県条例違反じゃないのか?

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リニア中央新幹線のトンネル工事で、山梨県早川町内には合計329万立米の建設発生土が掘り出されます。早川芦安連絡道路構想は、このうち120万立米を盛土に転用し、さらに長さ3750mのトンネルを設けるというもので、山梨県が事業主体となり、盛土費用は全額JR東海が提供することとなっています。

早川芦安連絡道路の計画されている土地は、全てが山梨県立 南アルプス巨摩自然公園第三種特別地域に指定されています。
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早川芦安連絡道路と県立自然公園との位置関係
オレンジ色で記入した道路が南アルプス市側で不正確なので後述の図で見直していただきたい。
 

県立自然公園制度とは、各都道府県を代表する自然の風景地を保護するために、特定の地域を区切って開発行為や利用方法に規則をかけるというものです。指定された地域は規制の弱い普通地域と強い特別地域とに分かれており、山梨県条例によると、このうち特別地域に指定された地域内では、規則に定められた種類の改変行為は県の許可をもらわなければ行なってはならない、と定められています。

地域が切望する道路造成のためとはいえ、環境を保全すべきと県が指定した場所へ、東京ドーム1杯分に相当する120万立米もの発生土を運び込み、谷を埋め立てることは、規則上可能なのでしょうか。

県立公園についてのルールは山梨県立自然公園条例で定められています。

そのうち特別地域についての規定は第20条であり、第4項が規制事項となっていて、これらは知事の定めた基準に適合しないと許可されないこととなっています(第7項)。
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道路を設けるという行為は、第4項のうち第一号「工作物を新築し、改築し、又は増築すること」に該当します。そしてその基準は同条例施行規則第十六条第7項で定められています。それは次の通りです。
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この施行規則第十六条第7項を見て目を疑いました。第五号では「線形を地形に順応させること又は橋梁、桟道、ずい道(トンネルのこと)を使用することにより、大規模な切土又は盛土を伴わないよう配慮されたものであること」と定めているのです。

ちょっと試算。

JR東海の環境影響評価書(2014年8月)では、山梨県からの情報(詳細不明)として早川芦安連絡道路の盛土はリニア発生土だけで120万立米を使うと記載しています。それに加えて連絡道路のトンネル工事(3750m)でも推定30~40万立米の発生土が生じることとなります。合わせると150万立米前後となります。

いっぽう山梨県が公表している事業計画によると、連絡道路での盛土区間は谷を渡る3か所で、地図で判断するとそれぞれ長さ200m程度とみられます。
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山梨県庁ホームページより 

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一区間あたり50万立米を長さ200mで割ると、平均盛土断面積は2500㎡となります。仮に盛土断面を、上底10m、平均高さ20mの台形と仮定すると、下底は240mとなります。こんなバカでかい盛土なんてあり得ない。

どう考えても大規模な盛土といえるでしょう。

県が定めたルールを、県が自ら無視してるんじゃないのかな?

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