JR東海が静岡工区でのトンネル施工業者を決定したらしい。
建設工事の契約手続きのことは全く知らないが、業者が決まったということは、工事費が決まっているはずである。工事費が決まったからには、内々には工事の具体的内容も決定しているのだろう。
けれども地元に対しては、環境保全措置とか発生土置場の適性とか、工事手順とか、具体的なことがロクに明らかにされていない段階である。
地元との協議を経て初めて合意するはずの事項なのに、どうして勝手に決定することができたのだろう?
これでは、今後はJR東海が示した計画を、一方的に聞かされるだけとなる。
おそらく政府と一体化して全国新幹線鉄道整備法第13条「地方公共団体は、・・・新幹線鉄道に関し、その建設に要する土地の取得のあつせんその他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」を振りかざしてくることになるのではなかろうか。
ただ、世間の常識からは程遠く、少なからぬ県民の感情を逆なでするような進め方だと思う。
文字通り自然環境を一辺させてしまう超・大工事なのだから、影響は否応なく大勢の人に関わってくる。単なる一建造物の工事契約などとは異なり、大勢の人の合意を得なければ進められない事業である。それを一方的に進める姿勢が決定的となったのだから、たぶんこの会社には、合意形成を図る意思はさらさらないのだと思う。
かつて川勝知事は、JR東海上層部との蜜月ぶりを積極的にアピールされていることが多かった。東海道新幹線の静岡空港新駅構想を視野に入れてのことに違いない。
けれども最近になり、予見される環境破壊の異常さが看過できないものであることを悟られたか、あるいはJR東海に協力する見返りとして期待していたメリットが皆無であると判断されたか、いずれにせよ急に慎重姿勢に転じられたようである。
これでもう静岡県側としては、自分勝手な企業の行う事業に配慮やら遠慮やらソンタクをする必要はなくなったのではあるまいか。
「関係する地域との連携を密にしながら…」なんて書いてるけど、ちゃんちゃらおかしいのである。