リニア建設工事入札が大きな騒動となっています。
しかしテレビ番組のコメントなどでは、「工費が高くつくことによって最終的に利用者の負担になるからよろしくない」といったニュアンスで語られるだけに終わっているような印象を受けます。
なんか、まだピンボケ気味というか、誰かにソンタクしているのか。
一連の報道でもあまり大きく扱われていませんが、建設費のうち3兆円は、「大阪開業を前倒しするため」として国が低金利で貸したものです。制度のことはよく分からないのですが、財政投融資という制度が使われています。
個人的には、おカネのうえでの問題点についてはあまり強い関心はないのですが、工事費が釣り上げられることにより、借金返済が、いくばくかは難しくなるのではないか?という気がします。
今のところ、一連の報道では
品川-大阪9兆300億円のうちの3兆円が財政投融資 (33%)
という表現がなされています。けれども根拠はありません。
もしかすると
なのかもしれません。後者だったらより問題は根深いわけで…
リニアの事業認可は2014年10月17日。それから半年ほど経ってから入札が開始されていったのですが、品川駅のように当初は不成立に終わった案件もありました。しかし2016年6月1日に、安倍総理が最大3兆円の融資を表明してからは次々と成立。
契約成立順序
2016年6月1日 安倍総理が3兆円規模の融資を表明
2016年11月15日 政府はリニア事業への財政投融資を行うため独立行政法人法の改正を閣議決定
黄色の部分は鉄建・運輸機構が担当
地上区間や大深度地下トンネルなど未締結の区間が残っていることを踏まえると、品川~名古屋のうち大半の区間は国が3兆円を貸す方針を示した後に契約が結ばれていくこととなります。
事件の推移を踏まえると、まるでJR東海が国からカネを借りて建設会社に均等配分する役割を担っているかのように見えて仕方がないのですが・・・。