リニア談合事件がおおごとになってきています。
契約順序
昨日~今朝は、どうやら2014年10月の事業認可前から受注調整が行われていたらしい、という報道がされました。
産経新聞
…関係者によると、4社の土木営業本部などの幹部らは、少なくとも3年前に東京(品川)-名古屋間のリニア工事実施計画(土木構造物)が国に認可される前から受注調整に向けた協議を重ねていたという。 (12/21(木) 7:55配信)
…関係者によると、受注調整を行った疑いが持たれている大手4社は、リニア関連工事の建設予定地を先行取得したり、発注者側が土地を取得できるよう地権者を説得したりして建設工事に協力してきた。(12/21(木) 7:30配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171221-00000010-mai-soci
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171221-00000010-mai-soci
正確な内容は不明ですけど、こうした状況が判明したことが、アセスとの関係上、もしかすると今後を大きく左右するかもしれません。
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JR東海が環境影響評価書を作成して国土交通大臣に送付したのは2014年4月23日でした。
この時点で、約3ヵ月前にJR東海に出された「準備書への県知事意見」はじめ各方面の意見をほとんど考慮しておらず、問題点に何も答えていない、という批判がありました。
そして国土交通大臣意見がJR東海に出されたのが7月18日。これを受け、JR東海が補正評価書を公告したのが一月余り後の8月29日。ここまでが環境影響評価手続きです。
そして事業認可は10月17日。
ゼネコンおよびJR東海による受注調整がいつから始まっていたのか、現段階では判明しません。
憶測でモノをいうのは危険ですけど、仮に、もしも8月29日以前から始まっていたとしたら、環境影響評価手続きの傍らで、すでに工事内容の青写真が出来上がっていたことになります。用地取得が始まっていたらしいという話も出てきています。
すると、評価書の補正作業(7/18~8/29)とは、あらかた決まっていた事業計画に合わせただけであった可能性が出てきます。
こういう背景で完成した評価書は、果たして妥当なものといえるのか疑問があります。
各方面からの意見を無視・軽視し続けざるを得なかった背景が、「既に決まっていた工事計画に合わせざるを得なかったため」というのなら、調査・予測・評価を通じて環境保全措置を考案してゆくという環境影響評価法を軽視したものだといえます。そんな評価書に基づき事業認可した国の姿勢も問われるべきでしょう。
だいたいアセスとはそんなもの―なんだろうけど、アセスの杜撰さを裏付けるかもしれない証拠が検察から出てきた例は珍しいと思う。
リニア沿線の住民が、環境影響評価法に則っていないとして事業認可の取消を求めて裁判を起こしていますが、環境配慮を軽視した理由が談合にあったのだとしたら、裁判の行方に影響を与えるかもしれません。
特に大臣意見を軽視して事業認可されたのは疑問。
評価書への国土交通大臣意見ではこんなことが述べられていた。
流量減少を最小化するための措置を検討し、そのうえで湧水発生に備えた対策を考えろ、という意見である。ところが、ルートおよびトンネルの配置計画を見直すといった動きは一切なされぬまま評価書の補正作業を終え、事業認可となった。特に流量減少がクローズアップされた大井川の場合、湧水発生を減らすための措置は検討することなく、いきなり導水路案が出てきた。これは不自然である。
導水路案が出てきた背景が、談合により大成建設が導水路を造ることを決めてあったから、ならばとんでもない話である。