当初より談合”事件”は、罪に問うことは難しいという見解が出されており、やっぱりそんな結末に落ち着きそうな気配を感じます。
ところで受注調整といった談合めいたことをやらざるを得なかったのは、
●巨大な規模であって人員等の手配が困難になる
●未知の要素や難工事を多く抱えているから発注元-ゼネコン間で事前協議が必要だった
●未知の要素や難工事を多く抱えているから発注元-ゼネコン間で事前協議が必要だった
といった背景があったためではないか、という指摘がなされています。
つい先日のNHKニュースの内容もそんな感じです。
大手ゼネコンの元社員がNHKの取材に応じ、「リニア中央新幹線は地中深くを掘り進めるトンネル工事や地下に新駅を建設する工事など、これまでに経験がないほどの難工事で高い技術レベルが求められる。発注元がどのような工法を選ぶかによって工事の設計が変わり、発注額にも違いが出てくるが、今回のような難工事の場合には実際に施工するゼネコン側の技術を取り入れて協議していかなければ設計自体が進まないのが現実だ」と話しています。
素人目にも、そりゃそうなんだろうなあと思うのですが、すると別の疑問が湧いてきます。
中央新幹線整備事業は、2011年5月27日に建設指示が出されました。
これに先立ち、国土交通大臣からの諮問を受けた交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会が、「中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定についての調査審議」を行っておりました(読みにくくてすみません)http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s304_sinkansen01.html
中央新幹線小委員会が1年余りにわたって審議を行なった結果、
●JR東海が事業主体として妥当である
●南アルプスルートで建設可能
●走行方式は超電導リニア方式が適切である
●JR東海が事業主体として妥当である
●南アルプスルートで建設可能
●走行方式は超電導リニア方式が適切である
という結論に至り、答申を国土交通大臣に提出し、建設指示が出されたわけです。
中央新幹線小委員会で使用された資料にはこんなことが書かれていましたが・・・
いずれの調査範囲も適切な施工方法等を選択することにより路線建設は可能…そんなことが書かれていたのです。当然、ここでいう「適切な施工方法」とやらは、適切かつ透明性の高いプロセスを経て選ばれるものと判断していたはずです。
ところが、いざフタを開けてみると、現計画には様々な困難が多いがために、談合めいたことをしなければ実現不可能だったことが露呈しました。つまり「適切な施工方法」を導くために不適切なプロセスが不可欠であるのが現状だったようなのです。
後に出された答申には―
こんなことが書かれておりました。JR東海の事業遂行能力はホントに十分だったのか?
そして中央新幹線小委員会の出した答申は妥当だったと言えるのでしょうか?