これが静岡駅構内に置いてあったパネルです。
静岡駅に置いてあるにも関わらず、静岡県民が関心を持ちそうなことはあまり書かれていいません。
これは前回のブログで指摘した通り、
第3回中央新幹線小委員会 配布資料 「超電導リニアによる中央新幹線の実現について(プレゼン版)」 と同じものです。
リニア開業後には、理屈の上では東海道新幹線のダイヤに余裕が生じるのでしょうが、実際に静岡県内駅に停車する列車の本数が増えるかどうかはわかりません。将来のダイヤ編成に向けて、行政との間で協議を行っているかどうかも知りませんし、そもそもリニアのダイヤ設定時代が全くの未定。
もうひとつ静岡県内に関係あるのがこの部分。
これは、環境影響評価書の「南アルプスエコパークについて」の要約だと思います(末尾に掲載)。なお4行目にある人口林とは人工林のミスでしょう。
「移行地域だから開発してもよい」といったニュアンスにまとめてありますが、実際の自然環境に即しているわけではないから、あんまり説得力はないと思います。
⇒(参考)2015年のブログ記事
⇒(参考)2015年のブログ記事
「林道を舗装するからアクセスが向上」といったことも書かれていますが、これは南アルプス山中の話。そもそも南アルプスへのアクセス上のネックは、静岡市街地からのアプローチだと思います。それが改善されぬ限り、南アルプス山中の道路を舗装したところでアクセス向上には寄与しないでしょう。
つまり、リニア建設事業が南アルプスユネスコエコパーク登録地域に貢献できることをほとんど示せていないように思えます。
東海道新幹線の将来が不透明であることを合わせると、このパネルでは静岡県への具体的なメリットは示されていないといえるでしょう。
なお、このパネルでは、静岡県内で大きな懸念材料となっている大井川の流量維持について一言も触れていません。巨大発生土置き場についてもほぼ無視。
これは不自然という感じがします。
環境影響評価書より