「発生土置場」という言葉について改めて振り返ると、文章構成がメチャクチャだと思うのであります。
①評価書第3章での「発生土置き場」
環境影響評価書を順番に見ていくと、まず「第3章 対象事業の目的及び内容」3-13ページに「静岡市葵区田代及び岩崎に発生土置き場を7箇所…計画する」とあり、その少し簡単な説明が掲載されています。
そのあと「工事方法」の項目に移り、「主な施設ごとの工事方法は現時点において概ね以下のとおり想定している。なお、内容は今後具体化することとなる。」と断ったうえで、こんな図が現れます。
明記してはいないものの、緑化する以上、JR東海として域外に搬出するつもりはないと判断されます。この地に置き去りにすることがうかがえます。
ここ第3章の記述から分かることは
●静岡市内に発生土を置く方針であり、種子吹付(つまり緑化)する見込み。
以上、評価書における静岡県内での発生土に対するJR東海の方針を新ためて並べると
同じ評価書の中で、90%を再資源化するとしながら、置き去りにして森林に戻すようなことを書いていることになります。再資源化すると宣言している以上は、盛土そのもの、あるいは域外に搬出して活用する可能性が排除されていないことになるのが重要なポイントだと思います。
ここまでが環境影響評価書での内容。
造成終了後の管理計画(骨子)と題した項目も掲載されていることから、ここから域外に搬出することはなく永久に置き去りにする方針になったと判断されます。そしてその内容を見た限り、ここを何かに有効利用しようという意図は全く見えてこない。
●静岡市内に発生土を置く方針であり、種子吹付(つまり緑化)する見込み。
前回ブログ記事と重複しますが、「8-5-1 景観」によると、工事終了後の発生土置き場は次のような姿になる見込みだそうです。
これについてJR東海は「完成後は・・・のり面等の緑化を行うことで、周囲の山林に溶け込んだ景観になると予想する」という見解を示しています。
つまり
●発生土置き場は緑化することで周囲の山林に溶け込んだ景観となる
とのこと。
●発生土置き場は緑化することで周囲の山林に溶け込んだ景観となる
とのこと。
③発生土は有効利用する?
これまた前回のブログ記事を重複しますが、評価書「8-6-1 廃棄物等」では、発生土の取り扱いについて次のように方針を示しています。そして「廃棄物等に係る環境影響の回避又は低減が図られている」と自賛しております。
これまた前回のブログ記事を重複しますが、評価書「8-6-1 廃棄物等」では、発生土の取り扱いについて次のように方針を示しています。そして「廃棄物等に係る環境影響の回避又は低減が図られている」と自賛しております。
ここから分かることは
●静岡県内で掘り出される発生土360万立米のうち90%を再資源として有効利用するのが基本方針
ということです。なお「有効利用」の内容についての具体的記述は皆無。
以上、評価書における静岡県内での発生土に対するJR東海の方針を新ためて並べると
●静岡市内に発生土を置く方針であり、種子吹付(つまり緑化)する見込み。
●静岡県内で掘り出される発生土360万立米のうち90%を再資源として有効利用するのが基本方針
●発生土置き場は緑化することで周囲の山林に溶け込んだ景観となる
●静岡県内で掘り出される発生土360万立米のうち90%を再資源として有効利用するのが基本方針
●発生土置き場は緑化することで周囲の山林に溶け込んだ景観となる
となります。
同じ評価書の中で、90%を再資源化するとしながら、置き去りにして森林に戻すようなことを書いていることになります。再資源化すると宣言している以上は、盛土そのもの、あるいは域外に搬出して活用する可能性が排除されていないことになるのが重要なポイントだと思います。
ここまでが環境影響評価書での内容。
この次に発生土置き場についてJR東海が意思を表明したのは県庁での審議会の場です。
2015年(平成27年)11月30日の第5回静岡県中央新幹線環境保全連絡会議において、JR東海は「発生土置き場計画の検討状況について」と題した資料を提出しました。
http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-050/assess/rinia/kaigi.html
http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-050/assess/rinia/kaigi.html
その資料にはこんなことが掲載されています。
造成終了後の管理計画(骨子)と題した項目も掲載されていることから、ここから域外に搬出することはなく永久に置き去りにする方針になったと判断されます。そしてその内容を見た限り、ここを何かに有効利用しようという意図は全く見えてこない。
つまりJR東海にとっては、2015年までに発生土は事実上の不要物に変じたこととなります。
さて疑問。
JR東海は、いつ、どのような判断のもとに、発生土の有効利用を断念=ゴミとして静岡県内に置き去りにすることを決めたのでしょうか?
再資源化率90%という高い目標を掲げておきながら、着工前にゼロ%を宣言するのはメチャクチャではないでしょうか。
また、再資源化宣言を一方的に破りながら、巨大盛土を発生土「置き場」と称したままです。一次的に置くのではなく未来永劫置くのであるから、これは捨てると表現すべきでしょう。
まだ静岡県内で着工に向けた具体的動きは(表向き)なされておりません。JR東海が具体的なアクションを起こす前に、
・発生土置き場イコール土捨て場なのか
・再資源化率90%の目標はどうなったのか
・受け入れることで地元にどんなメリットがあるのか
・再資源化率90%の目標はどうなったのか
・受け入れることで地元にどんなメリットがあるのか
を明らかにすべきだと思います。
もっとも、そうでなければ河川法・森林法での許可が出ないと思いますが。