「リニア談合事件」が大騒ぎになっていますが、この手の情報には全く疎い人間です。実を言うと、事件そのものにはあまり興味が湧きません。悪しからず。
ただ、こんなことが気になりました。
一連の報道の中で、建設業者側が様々な工事計画について主役を担ってきたかのような指摘がなされています。
関係者によると、JR東海の以来で体制と鹿島の2社は多額の資金を投じ、事前に技術的検討を重ねた。国が2011年5月に東京-大阪を直線ルートで結ぶリニアの整備計画を決定したのは、2社の技術力が前提になっていたとされる。
(中国新聞 3/6 たぶん出典は共同通信)
・・・発注元のJR東海は工事の設計や積算を大手ゼネコンなどに手伝わせていたといい、「他社は設計や積算をやっている社が受注する可能性が高いから仕方ないと思う」とし、「情報交換は必要不可欠で、利益を分け合うために工事を割り振ったという話ではない」と話す。・・・
(1/23 Sankei Bizより)
(1/23 Sankei Bizより)
特に3月5日毎日新聞朝刊【リニア談合事件/中 「汗かきルール」温床か 工費引き締めの裏で】に詳しいのですが、これは有料記事なので概略だけ紹介します。
●まずJR東海が南アルプスルートを宣言
●しかしJR東海は自社の技術力に不安
●よって大成建設と鹿島が南アルプスで調査
●その大成建設と鹿島が南アルプストンネルの工事を請け負う
●しかしJR東海は自社の技術力に不安
●よって大成建設と鹿島が南アルプスで調査
●その大成建設と鹿島が南アルプストンネルの工事を請け負う
という内容です。
もちろん、全て自社で設計、計画などを完遂できるはずもないでしょう。そもそも土木工事の計画や設計などについて、全くの門外漢である私がとやかく言うつもりはありません。しかし気になるのは、記事からだと、当のJR東海自身が、自社の技術力に不安を感じていたことがうかがえる点です。
国土交通省は2011年5月、中央新幹線小委員会からの答申を受けて、中央新幹線を整備計画に決定し、JR東海を事業主体に指名し、同社に建設を指示しました。
ここで全国新幹線鉄道整備法に目を向けます。
(営業主体及び建設主体の指名)
第六条 国土交通大臣は、建設線について、その営業を行う法人(以下「営業主体」という。)及びその建設を行う法人(以下「建設主体」という。)を指名することができる。
第六条 国土交通大臣は、建設線について、その営業を行う法人(以下「営業主体」という。)及びその建設を行う法人(以下「建設主体」という。)を指名することができる。
2~5 略
6 第一項の規定により営業主体又は建設主体として指名しようとする法人は、その営業又は建設を自ら適確に遂行するに足る能力を有すると認められるものでなければならない。
とあります。
談合事件が成立するかどうか分かりませんが、JR東海が「営業又は建設を自ら適確に遂行するに足る能力を有する」といえるのでしょうか?
それから、国土交通省は事前協議を事業推進の前提とみていた(ないし容認していた)節があるのですが、これこそが東京地検が問題視していることなのかもしれません。