新聞・テレビが森友問題で大騒ぎとなっているさなかの今月14日、南アルプストンネルの本坑工事が開始されたとのニュースがありました。列車の通る本坑の掘削作業開始は、品川~名古屋間で初めてとなります。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180315-OYT1T50045.html
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180315-OYT1T50045.html
ここ山梨工区では、リニア計画の審議が始まる前の2008年2月に、地質調査の名目で小断面トンネルの掘削が開始されていました。http://tech.nikkeibp.co.jp/kn/article/const/news/20080304/516832/
その後、事業認可後の2015年の12月18日に起工式が開かれますが、その時点で既に長さ2000m程度のトンネルが掘られていたことになります。起工式後には調査坑の拡幅・延伸工事が昨年夏頃まで行われ、今月になって本坑の掘削に着手したことになります。
あらかじめ2000mのトンネルが掘ってあった割にえらく時間がかかっていますが、ひとえに発生土(および汚染土壌)の行き先が不透明のためでしょう。
南アルプストンネル山梨工区からの発生土は235万立米で、さらに早川を挟んで隣接する第四南巨摩トンネルからの出される分を合わせると、早川町内への搬出量は実に329万立米となります。
これをどうするのか?
その発生土の行き先とされているのが早川芦安連絡道路整備事業です。
早川町北部から南アルプス市まで長さ3750mのトンネルを掘り、その取り付け部分に、リニア工事での発生土120万立米を用いて大規模な盛土構造にしようというもので、全事業費のうち盛土費用67憶円はJR東海が負担。
しかし、まったくもってブラックボックスであって、現在、何がどうなっているのかさっぱり分かりません。
備忘録としてネット上から記事を集めて時系列に並べましたが・・・。
http://park.geocities.jp/jigiua8eurao4/HayakawaAshiyasudouro.html
http://park.geocities.jp/jigiua8eurao4/HayakawaAshiyasudouro.html
昨年4月1日に「山梨県は今月中に着工することを決めた」という山梨日日新聞記事が配信されました。その後9月になってから関連工事費が上積みされたと報じられましたが、それによって全体の事業計画・見通しがどのように変更されたのかは分かりません。
いや、そればかりか、肝心の着工を伝える報道が見当たらないのはなぜなのだろう・・・?
何度も繰り返してますように、この道路計画はリニア事業そのものよりも不透明という印象があります。
【主だった問題点、疑問点というかナゾ】
●環境影響評価手続きを経ていない
●適切な事業規模なのか
盛土区間は2か所で長くとも合計600m程度。ここに幅員7~8mの道路を造るだけなのに盛土量は120万立米になるという。
●県立自然公園特別地域での大規模盛土①
大規模な盛土は、県立公園特別地域内での道路整備では大規模盛土を伴わないよう定めた県条例に違反するのではないか。
●県立自然公園特別地域での大規模盛土①
大規模な盛土は、県立公園特別地域内での道路整備では大規模盛土を伴わないよう定めた県条例に違反するのではないか。
●県立自然公園特別地域での大規模盛土②
県立公園条例では特別地域内での残土処分を原則禁止。しかし本事業では域外で生じた建設発生土をあえて搬入する。
●ユネスコエコパーク移行地域から緩衝地域へ発生土を搬入
環境保全レベルの低い所から高い所へ搬入することになる。
県立公園条例では特別地域内での残土処分を原則禁止。しかし本事業では域外で生じた建設発生土をあえて搬入する。
●ユネスコエコパーク移行地域から緩衝地域へ発生土を搬入
環境保全レベルの低い所から高い所へ搬入することになる。
●盛土予定地は1982年の台風で大量の土砂が流出したところ
●保安林内に大規模盛土を行う計画
●保安林内に大規模盛土を行う計画
いかにして許可されたのか不明。長野県側で工事ヤードを設置する際には指定解除手続きがなされたが、そのときと何が違うのか。
●事業計画が二転三転
2014年5月時点では盛土量180万立米(リニア発生土160万立米+連絡道からの20万立米)と想定。同年8月にはリニア発生土は120万立米に変更。最近になり120万立米は全て早川町側に埋め立てることに変更したという情報もある。また、リニアのトンネル坑口から早川芦安連絡道路の事業予定地に向かう途上にある22の橋について補強工事が必要であることが判明した。
山梨県庁のホームページを見ても、4~5年前に掲載された山梨県公共事業評価委員会・平成26年度事前評価結果以外の情報は見当たりません。
●事業計画が二転三転
2014年5月時点では盛土量180万立米(リニア発生土160万立米+連絡道からの20万立米)と想定。同年8月にはリニア発生土は120万立米に変更。最近になり120万立米は全て早川町側に埋め立てることに変更したという情報もある。また、リニアのトンネル坑口から早川芦安連絡道路の事業予定地に向かう途上にある22の橋について補強工事が必要であることが判明した。
山梨県庁のホームページを見ても、4~5年前に掲載された山梨県公共事業評価委員会・平成26年度事前評価結果以外の情報は見当たりません。
また、この道路は早川町と南アルプス市とをつなぐ計画なのに、南アルプス市のホームページでは全く情報が見あたりません。
さらに、同町内におけるリニア本体事業のほうも、やっぱりナゾだらけです。
昨年12月に、工事による同町内の観光業への影響を見積もるためにアンケート調査が行われたらしいのですが、その結果はどのように取り扱われたのでしょうか。
早川町内には、土壌汚染対策法に基づく特別な取り扱いを必要とする要対策土の仮置場が設けられましたが、果たしてそれで足りているのか、そして最終的な処分方法の見通しはどうなっているのでしょうか。
南アルプストンネルの工事現場から早川芦安連絡道路の盛土予定地までの道路は狭く、大型の工事用車両が大量通行するのは難しいと目されていましたが、それはどうなったのでしょうか。
隣県の住民だからだと思いますが、ちょっとネットで検索しただけでは分からないことだらけです。
このままでは、「2027年、県境までトンネルが完成したけど静岡県内では継続協議中」なんてことになりかねません。
山梨県は「リニア先進県」なのですから、積極的に情報を提供していただきたい。