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Channel: リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい?
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野鳥対策はしなくてもいいのか?

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以前、東海道本線の焼津駅から上り列車に乗車し、座れなかったため、暇つぶしに運転席から前方をデジカメで撮影していたことがあります。

そのときの動画を再生していたところ、線路上に集まっていたカラスの群れが、列車の接近に気付いて飛び立つ様子が映っていることに気付きました。

イメージ 1

イメージ 2
飛び立っている…のですが、よく分からんですな

イメージ 3
架線柱の外へ出たところ

カラスが飛び始めた際、列車と群れとの間は架線柱4本ぐらいでして、おおよそ約200mになるようです。つまり、線路上にいるカラスさん達は、列車が200mくらいにまで接近してきたところで逃げ出したことになります。どうやって列車の接近に気付くのかは全く分かりません。


動画によると、カラスの群れが飛び立ち始めてからそこを通過するまでに、約4秒くらいです。

0:45で最初のカラスが飛び立ち、0:48で全てが飛び始め、0:49で群れ全部が敷地外へと飛び立っています。

◇   ◇   ◇   ◇   ◇ 

これを超電導リニアに当てはめて考えてみたいと思います。

超電導リニアの営業速度は時速505キロ。

秒速140.3mですので、200mを1.4秒で突っ走ります

したがって、もしもリニアのガイドウェイ内にカラスの群れがいたとして、東海道線の場合と同じく、列車が200mまで接近したタイミングで飛び立とうとしても、衝突は免れないように思えます。

現在、地球上に、時速505キロで地上を定期的に走行する乗り物は存在しないと思います。高速鉄道、航空機、レーシングカー、いずれも時速300キロ台です。したがって鳥類をはじめ、あらゆる生物にとって全くの未知の世界なのですから、営業開始からしばらくの間は、バードストライク(衝突事故)が起きるのではないでしょうか。


実は環境影響評価の過程で、準備書への山梨県知事意見として、この種の疑問が出されていました。

質疑はこちら。

イメージ 4
左…山梨県知事意見   右…事業者見解

JR東海によると、山梨実験線では衝突が「問題となっていることはない」とのこと。

この表現がアイマイで、①鳥類にとって問題がないのか、②走行させる側や走行システムに問題が起きていないのか、どちらにも解釈できます。


「必要が生じた場合に専門家の技術的助言も踏まえながら対応を検討」するとしていますが、実験線にて検証は行っていないのでしょうか。

それと、高速列車ならではの疑問も頭に浮かんできました。

ちょっと調べてみると、走行中の列車の前方では空気が圧縮されて気圧があがり、逆に側面では気圧が下がるそうで、この気圧分布に応じて側方の空気が列車に吸い込まれるのだそうです。駅のホームで、通過中の列車に吸い込まれるような感覚を覚えるのは、必ずしも気のせいではなく物理学的な根拠があるようです。

移動する物体の速度が大きければ大きいほど、吸い込む力も大きくなるそうで、実際、新幹線の速度域の場合、駅舎やトンネルコンクリート壁などは、この力を見込んだ設計にする必要が出てくるのだそうです。

【参考】鉄道総研「駅における列車通過時の空力現象」
http://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2008/0004004787.pdf

ガイドウェイや橋梁に停まっている鳥が、風圧で弾き飛ばされたり、車両に吸い寄せられる、という事態は起こらないのでしょうか。

事故に巻き込まれる鳥たちがかわいそうなだけでなく、高架橋に隣接する民家に鳥の死骸が弾き飛ばされてくる…なんて事態をも想像してしまうわけです。

必要が生じた場合には対策をとると言ってますが、事後的に可能なのでしょうか?




地球上で初めて時速500キロで営業運転をするのだから、これまでにない角度からの検証が必要なのではないかと思うのであります。

なお、既存の新幹線でもバードストライクは生じていると思うのですが、詳しいことは何も知りません。JR東海は、「実験線では問題は起きていない」と片づけるのではなく、まずは東海道新幹線における見識を説明をすべきではないでしょうかか




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