唐突にヘビの写真であります。アオダイショウです。
自転車であやうく引いてしまうところでありました。全身は見えませんが、たぶん体長1.3mくらいだと思います。今年7月、静岡市駿河区の安倍川堤防での出来事。
2mくらいまで近づいても逃げなかったので写真を撮ることができたわけですが、ヘビって、意外と鈍感なんですかねぇ。山沿いの道路では、よくペシャンコになっているのをみかけますし・・・。
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6月、静岡市とJR東海とが県道トンネル新設はじめ、いくつかの合意を行いました。
さてさて、ロードキル対策はどうなったのか?
この林道東俣線は、畑薙第一ダムから二軒小屋まで、大井川に沿って伸びる未舗装の道路です。延長は27.3㎞で、一般車の通行は禁止されています。文字通り南アルプスのど真ん中です。
林道東俣線の位置
国土地理院ホームページ 電子国土Webより複製・加筆
リニアの静岡工区に通じる唯一の道路であり、環境影響評価書によると、最盛期には、二軒小屋ロッヂ付近にて1日片道479台、椹島ロッヂ付近で同332台の工事用車両が通行するとのことです。
今は一般車が通行禁止で、なおかつ無人地帯ですので、野生動物のほうが多く通ってるんじゃないかというイメージがありますが、そこへこれだけ大量の車両が通ったら、ロードキルが頻発するのではないかと心配してしまうのであります。
文字通り、南アルプスの野生動物にとっては前代未聞の事態です。赤石ダムなどの建設とは規模が桁違いです。スーパー林道や寸又川林道でもこれだけ多くの車両が通っていたとは思えないし、ひょっとすると、このように人里から何十㎞も離れた山奥で1日何百往復もさせるような巨大工事は、北海道を除けば前例がないかもしれません。
※奥只見ダムや黒部ダムにしても、専用トンネルをつくって車両を通していたので、地上を何十㎞にもわたり数珠つなぎになって行き来していたわけじゃない。
一応、JR東海もロードキルの発生は気にしているらしく、環境影響評価書には次のような環境保全措置が記載されています。
しかし、「必要に応じて横断側溝を設置する」と書いてありますが、これは非常に難しいことではないでしょうか。
そうした設備を設けるにしても、30kmもの区間全てに設けることは非現実的ですので、保全対象とする種ごと、それぞれ効果的な場所を選定する必要に迫られるはずです。そうした調査をJR東海が実施しているという話は、少なくとも中央新幹線環境保全連絡会議の場では知らされていません。事後調査計画にも含まれていませんが、ちゃんと調べているのでしょうか。
また、運転手に講習する・看板で注意喚起するといっても、注意すべき対象はシカやイノシシやツキノワグマといった大型獣ばかりじゃなく、ちっぽけなサンショウウオ、カエル、ヘビなども含まれます。「シカに注意」みたいな看板は効果があるかもしれないけど、「カエルに注意」することが現実的かどうか分かりません。
ダンプの運転席からだったら、ヘビやカエルやサンショウウオなんて分からないんじゃないのかな?
というわけで、心配しているわりには対策に効果がなさそう。。。、
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林道東俣線を通行するには市の許可が必要です。審査基準はこんな具合になってます。
静岡市役所ホームページよりコピー
「林道周辺の自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがあるとき」は、市長は通行を許可しないことができる、と書いてありますので、問題があっても許可することはできる、と解釈することもできそうです。とはいえ常識的に考えれば、あからさまな問題がある場合には許可しちゃダメでしょう。
大型工事車両が小動物を次々ペシャンコにしてゆくような事態は、自然環境の保全に支障を及ぼすといえるでしょうから、賢明な静岡市のことですから、その懸念が払しょくされぬ以上、容易に通行許可を与えないと確信しているところです。