ブログの訪問者カウンターが、このブログとしては尋常でなく増えていて、びっくりしました。
何じゃい![]()
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と思ったところ、こんなYahoo!ニュースがありました。
【毎日新聞】
<JR東海>リニア中央新幹線 静岡県の同意なく着工を検討
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180905-00000006-mai-soci
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180905-00000006-mai-soci
うーむ・・・
この記事に書いてあるような内容は、前々から静岡新聞と中日新聞静岡版で示唆されており、リニアウォッチャー静岡県民としては、「今さら?」感があります。
例えば7月4日に島田市で大井川水系利水者に向けて開かれた説明会を伝える記事には、
両者が結ぶことになっている基本協定について、利水者側は取材に「締結前の着工はないと確認できた」と評価したのに対し、JR側は「法的ルールはない」との認識を示し、双方の見解がすれ違ったまま、終了した。
【静岡新聞 2018年7月5日】
リニア工事、基本協定解釈に相違 JRと利水者が平行線
とあります。
また、工事に近いうちに取りかかりたいとする意向は、8月7日に井川地区で開かれた住民説明会の時点で明らかにされておりました。
【8月8日 静岡新聞】
リニア準備工開始、作業員宿舎8月末から着手 JR東海
ただ、それから約ひと月が経つものの、今のところ表立った動きはないようです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
着工、と一口に言っても、いきなりトンネル掘削用の重機を持ち込んで穴を掘り始められるわけではなありません。まずはそこにたどり着くまでの道路整備、工事を行うための敷地整備、作業員宿舎の建設といったところから始める必要があります。
そうした工事は、小規模なものなら県の関与を受けないでしょうから、おそらく「着工」することは可能だと思います。しかし現実的にはどうでしょう?
●静岡市と県・大井川流域自治体との関係
6月下旬に、静岡市が独自にJR東海と協議を進め、JR東海と県道トンネルを掘ることで合意に至りました。
この合意については、大井川の水問題が未解決なのに静岡市が抜け駆けした――静岡市は大井川の利水問題には関係が薄い――として、県および大井川流域市町から強い批判の声が上がりました。
8月8日 静岡新聞朝刊より
リニアの工事予定地に通じる道路は、静岡市の管理する林道東俣線ただ1本です。ここは車両の通行が禁止されており、JR東海が工事車両を通したければ、静岡市長の許可を受けなければなりません。
⇒静岡市南アルプスユネスコエコパークにおける林道の管理に関する条例
もしも今のタイミングで静岡市長がJR東海の通行を許可した場合、県および大井川流域自治体の猛反発が予想されます。静岡市の田辺市長が、そこまでの覚悟を決めて通行を許可するでしょうか?
●リニア本体工事の認可はどーなる?
川の下にトンネルを掘る場合、河川管理者(この場合静岡県知事)の許可を受ける必要があります。これは国会で国土交通省担当者も答弁しています。
この河川法関係の審査内容は多岐にわたりますが、利水に影響を与えないこと、河川環境を悪化させないこと、なども項目として含まれています。
⇒河川敷地占用許可準則
つまり、今始められる関連工事では県の許可が不要であっても、後々の本体工事では許可が必要になるのです。今、工事を強行してしまうと、県や流域自治体の不信感を余計に買い、後々の審査に影響を及ぼしかねません。
それに審査を受けるのは河川下のトンネルだけでなく、巨大な発生土置き場も対象となります。こちらも土砂災害を誘発する懸念が前々から指摘されており、ただでさえ難しい案件です。
そう考えると、ムリに工事を進めることは不利益になるように思えるのです。