――単なるシロウトの疑問です――
JR東海が、トンネル内の湧水を、全量、大井川にくみ上げることを県に打診したらしい―という報道がなされています。
10月20日 静岡新聞
リニア・大井川問題 JR東海が協定案、静岡県知事「中途半端」
しかし―理屈の上では簡単ですが、JR東海が引き受けねばならぬ責任は超・重大だと思います。
ふつうの取水では、川をせき止めて水を引いて使います。何らかの事情により使用量が少なくなるならゲートを下げればよいし、水を使わなくなったのなら、堰を撤去すれば川の流量は元に戻ります。というわけで、水を使う権利(水利権)は10年ごとに更新されるシステムとなっています。もっとも、全然使ってない農業用取水堰が放置されているような例も多いらしいので、あくまで理屈の話。
ここで疑問。
トンネルって撤去できるのでしょうか。
仮に遠い将来、天変地異とか社会情勢の変化によりリニア中央新幹線そのもの、あるいは南アルプストンネルが維持できなくなったり、不要になったとしても、この”元・南アルプストンネル”自体は永久に残り続けます。
埋め戻したところで、破壊された岩盤中の地下水脈を元に戻すことは不可能でしょう。
つまりJR東海には、遠い将来、トンネルが不要になろうが同社が消滅しようが、雨が降ろうが槍が降ろうが、「ポンプが湧水をくみ出し続けること」を保証してもらわにゃならんのではないでしょうか?