あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
さらに、昨年12月に長野県の大鹿村では、村内に計画されている工事用車両の迂回通行ルートをめぐり、地権者が県に公害調停を申請する事態に発展。もとはといえば、工事工程を見直さず大量の工事用車両を村内を通行させようとするJR東海の姿勢が招いた事態です。
以上は南アルプス関係の記事ですが、各所で環境問題上の軋轢が今まで以上に噴出してきそうな年になりそうです。
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「アワセメント」という言葉が使われることがあります。
あらかじめ決まっていた計画に合わせて、形だけ、口先だけの環境配慮で進められた環境アセスメントを皮肉る言葉です。
環境行政を統括する環境省も、そういう言葉があることは自覚しているようです。
http://www.env.go.jp/policy/assess/1-3sanka/3/mes/mes_sim001a_01.htm
http://www.env.go.jp/policy/assess/1-3sanka/3/mes/mes_sim001a_01.htm
リニア計画の場合はいかがでしょうか。
時速500キロで走行するためには、路線はほぼ一直線にならざるを得ません。そのため高速道路や整備新幹線のように、保全すべき地域を迂回するようなことは絶望的です。
(北陸新幹線 中池見湿地回避の事例)
https://dot.asahi.com/dot/2015082100063.html?page=1
https://dot.asahi.com/dot/2015082100063.html?page=1
周辺環境に合わせた環境配慮ができない…これは超電導リニア技術が抱える宿命です。
おそらく現在のルートや工事計画は、環境影響評価の始まる前に定まっていたのでしょう。仮に環境配慮のために計画変更があったとすれば、路線の長さや開業予定年度が、アセス前後で全く変わらないのは不自然です(最初から環境に最大限配慮していたというのであれば、アセス開始時点でルートが未公表であったことと説明がつかない)。
他方、環境アセスメント手続きでは、複数案を比較検討するなどして、より環境に配慮された計画に改めることが求められます。そうしなければアセス手続きは不適切ということになり、事業は認可してはいけないことになります。
これは矛盾含みです。
周辺環境に対応できない計画を、あたかも環境に配慮して生み出された計画であるかのように見せかけねばならない。
だから、リニア計画では壮大なアワセメントが行われていたのではないか、という疑惑が拭えないわけです。
モリ・カケ問題では行政機関の内部資料をめぐって大きな騒動となりました。リニア計画においても、そのうちにアワセメントを証明する資料が発掘されるかもしれない。いやいや、ネット上を丹念に探せば見つかるかも―――。
目下、大井川の水資源問題が注目を浴びていますが、これを掘り下げて調べてゆく過程にて、矛盾がポロッと出てくるかもしれません。
そんなことを考えている平成最後の元日であります。