Quantcast
Channel: リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい?
Viewing all articles
Browse latest Browse all 483

静岡県側非常口を使うのはどんな非常事態?

$
0
0
ホームページ移行に加え、今度は今年12月にYahoo!ブログのサービス提供が中止になるとの通知がありました。とうわけで、移行作業中です。

この際だからパソコン内に保存してある古い画像やダウンロードした資料なども整理しているのですが、その中に次のような画像がありました。

静岡県の作成した東海地震/南海トラフ地震発生時の被害想定の資料からコピペしたもので、緊急車両や支援物資の輸送に使われる重要な道路路線が、緊急車両の通行可能にいたるまでどれほどの日数をようするのかという予測です。

イメージ 1

イメージ 2

静岡県第4次地震被害想定関連資料 第一次報告 本編より複製・加筆 


どうしてこんな図がリニアと関係あるかというと、JR東海が静岡県最北端の南アルプス山中に設置する作業用坑口のことを「非常口」と呼んでいるからです。

つまり、南アルプストンネルの山梨側出口も長野側出口も使えず静岡側の地上へ脱出せざるを得ないという異常事態が想定されていることになります。大地震のような事態が想定されているのではないでしょうか(火災ならば先進坑を使って逃げるはず)

しかし地上に出たところで南アルプスのど真ん中なので、静岡市街地まで移動しなければなりません。ケガ人が出たら急いで搬送しなければならない。
なお緊急車両/救助隊の到着までどう過ごすのか?という根本的疑問もある。ヘリコプターは簡単には入れない。⇒東海/南海トラフ地震で広域災害となった場合には数が足りないし、厳冬期や梅雨時なら簡単には入れない 

上の図を拡大します。
イメージ 3

被害想定がなされたのは「緊急輸送路」に指定された主要な道路だけです。そこで、非常口から緊急輸送路にまで至る道をグレーの線で記入しておきました。

これを見ると、静岡市街地から南アルプスに向かう道路は、途中(井川ダム)までは「影響度ランクA]つまり「緊急輸送が可能なレベルの復旧に要する日数目安」は「3日~1週間」となっています。つまり井川集落自体、しばらくの間は孤立する可能性が高い。
なお、県が作成した山地災害の危険地区マップを見ると、静岡市街地と井川湖の間はいたるところが「土砂災害発生のリスクが高い」と判定されています。1週間で復旧できるのかな?という気もします。
イメージ 4


道路被害想定にもどると、井川湖より北は無人地帯なので、影響評価の対象外となっています。この時点(平成25年)で、静岡県行政としては井川湖より北の南アルプス山中に大量の緊急車両を通すような事態は想定していないのでしょう。今後見直さざるを得なくなるかもしれません。

そもそも非常口と井川集落とを結ぶ林道東俣線は、現状でも落石・崩壊が頻発していることから一般車両の通行が禁止されており、JR東海としてもリニア工事に先立って補修工事が必要であるという認識のようです。
イメージ 5
静岡県版 環境影響評価書より 

しかし少しの補修で当面の通行が確保されたとしても、大地震に見舞われたら場合にどうなるものか全く分かりません。

例えば非常口予定地のすぐ南(燕沢発生土置き場付近)は大規模崩壊地にぐるりと囲まれており、土砂崩れが起きれば道が寸断されてしまうでしょう。
イメージ 6

緊急時に使えるとは思えない静岡県側非常口を使わねばならない事態とは、いったいいかなる状況を想定しているのでしょうか。






Viewing all articles
Browse latest Browse all 483

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>