昨日の続きになります。
静岡新聞社が環境調査会社と協力して行った調査によると、蒲原発電所放流水の濁りの原因と目されていた雨畑川だけでなく、雨畑川合流点よりさらに上流側の早川本流でも強い濁りが確認されたそうです。
しかし記事中にあるように、早川のずっと上流側の地点では濁りが確認されなかったとのことです。この間にあって濁りの原因になりそうなもの…というと、土砂崩れ、砂利採取、中部横断道からの発生土、そして現在進行中のリニア中央新幹線建設工事があげられます。
リニア工事が濁りの原因だとはまだ断言できません。
しかしながら、山梨県でのリニア工事における水質管理体制を改めて確認してみると、「?」がつくのであります。
こちらはJR東海が山梨県に提出した環境調査結果(山梨県環境影響評価条例第38条第1項に基づく中間報告書)から、水質調査の該当部分を切り出したものです。このうち「地点02」と「05」が、早川本流における調査地点になります。
この記述によると、水が濁っているのは調査地点より上流で、濁りのひどい支流(湯川)が流れ込んでいるためとしており、工事とは関係ないとしています。
湯川が濁りの原因かどうかはこれから検証されることになりましょうが、ここで疑問に感じたのは調査頻度のほうです。調査は年に1度しか行っていません。
環境省の「水質汚濁に係る環境基準」では、調査頻度は「適時」と定められているので、別に年に1回であっても制度上の問題が生じるというわけではなさそうです。
第2 公共用水域の水質の測定方法等
環境基準の達成状況を調査するため、公共用水域の水質の測定を行なう場合には、次の事項に留意することとする。.
(1) 測定方法は、別表1および別表2の測定方法の欄に掲げるとおりとする。
この場合においては、測定点の位置の選定、試料の採取および操作等については、水域の利水目的との関連を考慮しつつ、最も適当と考えられる方法によるものとする。
(2) 測定の実施は、人の健康の保護に関する環境基準の関係項目については、公共用水域の水量の如何を問わずに随時、生活環境の保全に関する環境基準の関係項目については、公共用水域が通常の状態(河川にあつては低水量以上の流量がある場合、湖沼にあつては低水位以上の水位にある場合等をいうものとする。)の下にある場合に、それぞれ適宜行なうこととする。
(3) 測定結果に基づき水域の水質汚濁の状況が環境基準に適合しているか否かを判断する場合には、水域の特性を考慮して、2ないし3地点の測定結果を総合的に勘案するものとする。
(1) 測定方法は、別表1および別表2の測定方法の欄に掲げるとおりとする。
この場合においては、測定点の位置の選定、試料の採取および操作等については、水域の利水目的との関連を考慮しつつ、最も適当と考えられる方法によるものとする。
(2) 測定の実施は、人の健康の保護に関する環境基準の関係項目については、公共用水域の水量の如何を問わずに随時、生活環境の保全に関する環境基準の関係項目については、公共用水域が通常の状態(河川にあつては低水量以上の流量がある場合、湖沼にあつては低水位以上の水位にある場合等をいうものとする。)の下にある場合に、それぞれ適宜行なうこととする。
(3) 測定結果に基づき水域の水質汚濁の状況が環境基準に適合しているか否かを判断する場合には、水域の特性を考慮して、2ないし3地点の測定結果を総合的に勘案するものとする。
しかし、常識的な感覚では、年1回では少なすぎるのように思われます。工事状況などにより濁りの少ない日に調査が行われる可能性も考えなければならない。
報告書に対して出された山梨県知事意見(平成30年12月28日)では、水質調査の頻度を増やせという意見は出ていませんが、この調査体制に納得されたのでしょうか・・・?
(それと、早川町同様に発生土をあちこちに仮置きしている長野県側では問題ないのかな?)
前々回のブログで紹介しましたが、リニア中央新幹線の計画を対象とした研究・報告、または関係が深そうな研究・報告のうち、ウェブ上で公開されているものを集めてみました。
こちらになります。