先週の土曜日(13日)に、NHKの人気番組「ブラタモリ」で、甲府盆地が取り上げられていました。
番組冒頭の数分間、タモリさんがリニア実験線に体験乗車し、社内で「タモテバコ(番組のお題)」を渡されるという流れになっていました。
まあ、一つの名所であるには違いないけれど、番組のテーマ(甲府盆地の自然環境)との関係がよく分からず、ちぐはぐ感が残ったのは事実です。
私は「ちぐはぐ感」しか感じなかったわけですですし、圧倒的多数の視聴者にとっては、バラエティ番組の数分間の放送内容など、すぐに忘れてしまうかと思います。ですが、「リニア反対派」の間(某SNS上)では批判が多いようです。
私のウロ覚えの記憶によれば、番組ではリニア実験車両の走行シーンが流されているだけで、別に「リニア中央新幹線」の早期実現をアピールするわけでも、工事の順調さを強調するわけでもなかったと思います。
しかし「反対派」によると、リニアの負の側面が説明されていない、そもそも必要性を議論すべき、実際にはトンネルばかりなのにあたかも地上走行であるかのように扱われている…などなど。要は「NHKは問題点を隠している」とのこと。
バラエティ番組にそんなことを求めるのはムリだし、ツッコミを入れ始めたら際限ないだろうに…。
正直、イヌ・ネコの愛らしさを扱った番組に向かって「この番組はペット業界の闇や犬・猫の殺処分問題を無視している!」と、お門違いのクレームが立てられてのを眺めているような違和感を覚えました。
そういうのはこういう番組に向かっていうべきじゃないのかな?
【BS11】財部誠一の異見拝察「JR東海のリニア新幹線戦略」
2018/11/28 に公開
ゲスト:宇野 護(JR東海副社長)
【番組説明】
2027年の開通を目指している「リニア中央新幹線」。完成すれば、東京から名古屋までが最短40分で結ばれる。現在、東海道新幹線「のぞみ」が最短で1時間40分であるため、所要時間は実に半分以下。1時間も短縮される。 その「リニア中央新幹線プロジェクト」を担当するJR東海の宇野護副社長に、「リニア中央新幹線」を建設することの意義や、完成時に日本に与える影響などについて聞く。
2027年の開通を目指している「リニア中央新幹線」。完成すれば、東京から名古屋までが最短40分で結ばれる。現在、東海道新幹線「のぞみ」が最短で1時間40分であるため、所要時間は実に半分以下。1時間も短縮される。 その「リニア中央新幹線プロジェクト」を担当するJR東海の宇野護副社長に、「リニア中央新幹線」を建設することの意義や、完成時に日本に与える影響などについて聞く。
ところで、「リニア反対派」の論理に従うと、リニア新幹線はテレビ番組で取り扱われるべき重要な問題を抱えており、それをテレビ局が丁寧に扱わず、問題点を報じないないのはおかしい、となっているようです。(で、その背景にはJR東海の圧力やら政治家の力が欠けられているのだあ!との陰謀論に発展してゆくのが定番)
けれども、これこそおかしいのではないでしょうか。
世の中には「我々の抱えている話題をテレビで取り上げてもらいたい」と思っている人が無数にいると思います。その中から番組制作側が何をどう取り上げようと、それは基本的に自由なはずです。
商品に置き換えて考えてみます。
A「リニアすごいね!情報」(byリニア推進組織)
B「リニア・ネガティブ情報」(by「リニア反対派」)
これをテレビ局に売り込む8選んでもらう)と考える。
現状では、テレビ局の立場で見た商品価値(≒予想される視聴者のニーズ)は、
A>>Bとなっているのだと思います。
ところがリニア・ネガティブ情報の売り手である「リニア反対派」は、自らの商品のPR方法や品質を見直すことなく、買い手側にのみ問題があると認識し、それで終始してしまっている。
まあ確かにAの売り手は莫大な資金や労力を投入できるので、勝負にならないように見えるけど、とりあえず愚痴じゃなくて売り込み方法の再考ぐらいはすべきじゃないのかなあ?
私なんぞは、事実誤認や明白な世論誘導でもない限り、テレビでリニアをどう扱おうと知ったこっちゃないし、愚痴を垂れるつもりも(あまり)ありません。そもそもテレビをあまり見ないんで…。
けれども、万一妙な理屈でおかしなクレームをつけて、「リニア計画を批判するのはイタイ人々」とのイメージが広まるようなことがあっては困るなあ・・・。