富士川の濁水問題が、思わぬ方向へ拡大しています。
昨日の静岡新聞の記事によると、山梨県早川町内にて砂利採取業者が、汚泥を雨畑川に投棄していることが明らかになったとのことです。
【静岡新聞】
山梨・雨畑川に汚泥投棄 採石業者、廃棄物処理法に抵触か
NHK山梨の報道によると、業者は山梨県に対し「雨で流出した」と話しているようですけど、しかし静岡新聞のホームページには、ダンプで川に泥状のものを流す様子を撮影した動画が掲載されており、「流出した」との説明にはムリがあるように思われます。
製造業で発生した泥は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理法)では「汚泥」とされ、当然のことながら、法に基づいた処理が必要となります。法律の仕組みが複雑怪奇で、シロウトには全容がいまいち把握できませんが、不法投棄の罪は重いです。仮に無許可で河川に汚泥を捨てたとなると、法人については「3億円以下の罰金」となっています。
また、河川法第二十九条にも違反することになりますし、場合によっては同法七十五条によって砂利採取の業務にペナルティーを課されるかもしれません。
しばらく砂利採取は中止されるかもしれません。
しかし、雨畑ダムには1200万立米もの土砂があふれかえったままです。そこに手を付けられぬままで、梅雨と台風シーズンを迎えなければならない。
いっぽう、リニア工事がペースを落とさず進むのなら、町内にはリニア発生土がどんどん増えてゆくことになります。最終的に329万立米まで出てくることになる。現時点で町内には仮置き場7地点、最終置き場3地点、大規模道路盛土1地点が決まっています(計:約194万立米)が、これがさらに増やされるかもしれない。
したがって災害防除の公共事業としてダム堆砂を除去したくとも、搬出先として適当なスペースや利用先が、リニア工事で先んじて使われてしまうかもしれない。
・・・この先どうなるのでしょう?