愛知県の大村知事が「静岡工区が工事に取り掛かれず、2027年の開業目標が遅れることは受け入れがたい」とおっしゃったそうです。
【東海テレビ】
「リニア開業の遅れ受け入れられない」愛知県知事が懸念 静岡での工事反対受けJRが可能性に言及
6/10(月) 12:06配信
6/10(月) 12:06配信
6日にもおっしゃってました(一番下のほう)。
信濃毎日新聞でも伝えています。
愛知県知事は、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会の会長というお立場ですから、この事業の内容、検討経緯を最も把握しておられることと思います。
こちらは2010年3月3日に国土交通省の「交通政策審議会陸上交通分科会第7回鉄道部会」の配布資料にあった、中央新幹線の「地形、地質等調査範囲図」です。まだ国土交通大臣による諮問がなされる前の段階です。
ルート選定のための地質調査が行われていた範囲ですから、当時の想定ルートといえます。
大井川流域を示す黄色の線と北岳、荒川岳の名称はブログ作者が記入
図をご覧になってお分かりいただけるように、当初、中央新幹線は南アルプス通過を含め3ルート案が検討されていました。この図を見ると、そのうち南アルプスルートの場合、南アルプスと言っても北部(北岳のほう)ではなく、大井川流域つまり静岡県を通過することが想定されていたことになります。
大井川は河川法の適用される一級河川です。河川法の適用される河川にて工事がなされる場合、環境への影響の有無にかかわらず、河川管理者(この場合県知事)による各種の許認可が必要となります。
愛知県は期成同盟会の主要メンバーであり、実現に向けて情報収集をしていたのですから、事業推進には静岡県知事による河川法など各種認可がカギになることを、当時から把握されていたはずでしょう。
(なお当時は2025年開業を想定。同年5月にJR東海は開業予定年を2027年に変更。)
(なお当時は2025年開業を想定。同年5月にJR東海は開業予定年を2027年に変更。)
同時に静岡県が既成同盟会に参加していないことも、他県の業務について他県の知事がどうこう言うことができないことも、よくご承知のはずです。そして静岡県民がこぞって待ち望んでいる事業というわけでないことも薄々お感じのことでしょう。
その愛知県の知事が、「静岡工区が着工できないことで2027年開業が遅れることは受け入れがたい」とおっしゃったことは、いかなる意味を持つのでしょうか。