富士川の濁りの主な発生源と目されている山梨県早川町の雨畑川。その渦中にある雨畑ダムから、実にさまざまな問題が噴出してきました。
●不法投棄(汚泥、生コンクリート)
●水質汚濁
●堆砂(堆砂率90%以上、既に水害が発生)
●情報隠し?その1(地元漁協に大金を支払っていた意図は?)
●情報隠し?その2(問題企業の社長は元・山梨県治水課長。山梨県は実態を知らなかったのか?
●水質汚濁
●堆砂(堆砂率90%以上、既に水害が発生)
●情報隠し?その1(地元漁協に大金を支払っていた意図は?)
●情報隠し?その2(問題企業の社長は元・山梨県治水課長。山梨県は実態を知らなかったのか?
クローズアップ現代
豪雨被害を拡大!?あなたの町のダムは安全か 2019年7月10日
関連資料
雨畑ダムの総貯水量は1365.0立方メートル。これに対し平成28年度の堆砂は1274.4立方メートルで、堆砂容量600万立米の2倍になっています。堆砂容量というのは100年で溜まると予想された土砂の量ですが、雨畑ダムでは40年程度で2倍に達したことになります。つまり想定の4~5倍のペースで土砂が溜まったわけです。
ダム湖の総貯水量に占める堆砂率は実に93%にもまります。ただ、たまった土砂はダムの堤端よりずっと高く上流側にまで積み重なっており、これを考慮すると、さらに数百万立方メートルは増えるのではないでしょうか。ダム湖上流側では、すでに道路の高さを越えているようです。
最近の状況を伝えたニュース動画です。
ANNニュース
ダムに土砂→川が氾濫の危険 雨の時期に不安高まる 2019年6月27日
https://www.youtube.com/watch?v=YBGAUSQrMQ0
https://www.youtube.com/watch?v=YBGAUSQrMQ0
こちらは上空から撮影された画像。ダム完成後間もない1970年のもの。
こちらは2015年撮影のものです。
国土地理院ホームページ 電子国土Webより複製
ダム湖のずっと上流側まで砂利で埋め尽くされているのが分かります。
さて、そのダム堆砂を採取・販売している業者が不法行為をはたらいてしまいました。山梨県内では、富士山麓などで不法投棄が相次いでますから、本件についても厳しい対応をとらなければならないでしょう。
しかし、仮に砂利採取が停止されると、次々流入してくる土砂に対処することはできなくなり、不安が増すこととなります。ゆえに放置することも難しいでしょう。
なお
・ダムの所有は日本軽金属(民間企業)
・砂利採取・販売をおこなうのはニッケイ鉱業など民間企業
・ダム管理の細則は国土交通大臣の担当
・雨畑川の水害対策や環境の管理は山梨県知事
・ダム堆砂の採取についての権原は山梨県知事
というように、縦割り行政により責任の所在もよく分かりません。
何か策はないかと河川法を眺めていたら、「原因者負担金」という条文が見つかりました。これを適用して、緊急的に、行政が砂利の浚渫を行い、後に費用をダム所有者に負担させることはできないものでしょうか。
第六十七条 河川管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた河川工事又は河川の維持に要する費用については、その必要を生じた限度において、当該他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。
早川町内にはこのほかにも春木川という土砂堆積の激しい河川があって、そちらも放置できない状況のようです。最低でも数十万立米の土砂を緊急的に除去する必要があるでしょう。
いずれにせよ、大量の土砂を除去するならリニアのトンネル工事との兼ね合いが必要となります。
トンネル工事では、早川町内には329万立米の土砂を掘り出す計画です。いまのところ、「発生土の活用」として大半が町内に留め置かれていますが、それは正しい選択なのでしょうか。
そもそも、土砂が次々崩れてくる地域(=土砂生産の場)に掘り出す量として、329万立米という数字は適切だったのかでしょうか。
なお
・ダムの所有は日本軽金属(民間企業)
・砂利採取・販売をおこなうのはニッケイ鉱業など民間企業
・ダム管理の細則は国土交通大臣の担当
・雨畑川の水害対策や環境の管理は山梨県知事
・ダム堆砂の採取についての権原は山梨県知事
というように、縦割り行政により責任の所在もよく分かりません。