昨日30日の静岡新聞は、山梨県早川町にある雨畑ダムの堆砂問題について、特集記事が組まれていました。
埋まるダム、迫る危機 山梨・雨畑川、静岡新聞社ルポ
住民意識調査の概要もあります。
動画もあります。吊り橋が埋まりかけています。
ダムの総貯水量に対する堆砂の割合(堆砂率)は93%で、その量は1274万立米にもなります。しかし土砂は既に湖面よりもずっと高い地点にまで積み重なっているので、実際にはさらに多いのかもしれません。
専門的なことは分かりませんが、ここまで土砂に埋まってしまうと、ダム上流側の水害だけでなく下流側にも被害を及ぼしかねないような気がします。東海地震/南海トラフ大地震に耐えられるのでしょうか。
地元の方々も立ち上がり、先日は静岡県の川勝知事が堆砂問題で協力する意向を表明しました。
早いうちに、土砂の本格的な除去作業が行われることを願います。
ところで早川町内には、リニアの南アルプストンネルや第四南巨摩トンネルおよび切土工事により329万立米の発生土が掘り出される見込みです。これは町内あちこちに仮置きされ、「活用」されることになります。とくに早川芦安連絡道路は、盛土部分にリニアからの発生土を大量に「有効活用」することにより建設コスト削減が図られるそうです(別資料によると120万立米)。町内では別の道路整備にも10万立米を使うそうです。
何度もこのブログで指摘してますが、これら道路整備に雨畑ダムの堆砂を使うことは検討しなかったのでしょうか?
残る200万立米近い発生土の行き先は未定のままです。山梨県駅の整備に使う構想もあるようですが、リニア発生土の使い道の検討など後回しにして、、今はダム堆砂の搬出を最優先すべきだと思います。
もしかすると、JR東海としてもトンネルの掘削順序等の再考を迫られるかもしれません。
南巨摩第四トンネルの青崖東非常口からは、東隣の富士川町側に予定されている保守施設等への分岐路まで掘る工事契約となっている。このため、早川町内の路線距離に比して過大な土砂が掘り出されることになった。
仮にダム堆砂除去でリニア工事が停滞するような事態になっても、某県の赤シャツ知事は不平を口にしないで頂きたい。