リニア準備書 大井川の流量減少への環境保全措置策はなし
大井川だけでなく、案の定、山梨県での審議会でも、南アルプスにおける水環境の項目について「データ不足」という声があがってきました。当然でしょう。審議するための材料が書かれていないのですから。データ不足という点については、次回触れようと思います。...
View Articleリニアのアセス準備書 水環境調査データは 「ないないづくし」
環境影響評価というものは、大雑把に言うと、大規模な事業をおこなう前に、事業者がその事業が環境に与える影響を予測し、「環境の保全のための措置」を生み出してゆく制度です。 そして事業者の考えた「環境の保全のための措置」で環境が守られるかどうかを審議する権利が、自治体や環境省だけでなく、地元住民をはじめとする国民みんなにあります。...
View Article山梨県富士川町の大柳川の環境はなぜ調査をしていないのだろう?
私は静岡市民ですが、地形図を眺めていて、リニア建設による水環境破壊という点で心配になったのが、山梨県富士川町の旧鰍沢町地区を流れる大柳川という川。 図1 山梨県版準備書より転載 中央にうっすらと「大柳川」とあります。...
View Articleなんで長野県の青木川と虻川は調査対象になっていないのかな?
前回取り上げた山梨県富士川町とまったく同じ状況なのが、南アルプス西側の長野県大鹿村を流れる青木川と、豊丘村を流れる虻川という川。 特に虻川には滝が多く、美しい渓谷となっており、景勝地となっているようです。リニア中央新幹線は、これらの川の流域を、長さ15300mの長大トンネルで貫く計画になっていますが、大丈夫なのでしょうか。...
View Article準備書意見へのトンチンカンな見解
先日11月5日まで環境影響評価準備書に対する意見が受け付けられ、それについてJR東海が意見概要をとりまとめ、本日(25日)夕方、沿線自治体に送付されました。 これより120日以内に、沿線の市町村ごとに意見を知事に提出し、知事はJR東海に意見を提出することになります。 意見は2539通、意見総数14046件だったとのこと。 この数は、国内の環境影響評価制度としては異例の多さだと思われます。...
View Article南アルプストンネル総延長は130㎞?
リニア中央新幹線の南アルプス横断トンネル計画 山梨、静岡、長野3県に分割されて環境影響評価がなされているためか、全体を見回した論評や新聞記事を見かけません。 どういうトンネル構造で、どういう工事が行われるのか、どのくらい周知されているのかな? 全国版のニュースや新聞ではサラッと「南アルプスを通過し…」なんて報道のされ方をしているけれども、とんでもない工事計画なのですよ。...
View Article大井川をこれ以上痛めつけるな!!
前回書いたように、南アルプス奥地に大小さまざまなトンネルが縦横に掘られ、その結果として、大井川はじめ多くの川の流量が減少するという予測結果が出されています。 大井川上流域では、本流で2立方メートル/秒の流量が減少すると、JR東海自身がはじき出しています。もっとも、予測の前提とした理論上の解析値による現況値と、現地調査による現況値が大きく異なるなど、数値の見方自体がよくわからないのですが。...
View Article南アルプスをゴミもとい残土捨て場に見なすプロセスはどーなってるの?
南アルプス貫通計画の大問題 残土ざんど について触れようと思います。 残土というのは、建設工事に伴って発生する不要な土のことです。正確には土ではなく岩のカケラですけど。 リニア中央新幹線計画において、南アルプスを横断する総延長52㎞のトンネルを掘るために、おそらく余計に70㎞程度の作業用トンネルが掘られます。そのため、通常のトンネル工事では考えられないような、異常な量の残土が発生します。...
View Article標高2000m! 天空の残土捨て場
今回の問題はあまりにもクレイジー。 庭に穴を掘ったときに、出てきた土をわざわざ屋根に運んで積んでおく人はいないと思いますが、それを巨大な規模でおこなおうとしているのがこのリニア計画。 JR東海の作成した環境影響評価準備書によれば、静岡県内では南アルプス山中の7ヶ所に残土を捨てる計画になっています。 準備書 「図4-2-1-3 水環境に係る測定位置図」 を複製・加筆...
View Article「標高2000m天空の残土捨て場」は環境影響評価をほとんどしてない…
JR東海が考案した、「南アルプス標高2000mの山上に建設残土を大量に捨てる」というムチャクチャな計画のメチャクチャさについて続けます。 南アルプス大井川最上流部に設けられる「天空の残土置き場」関連図国土地理院地形図閲覧サービスウオッちずより複製・加筆...
View Article山崩れに残土を放り込む…? 大井川埋め立て計画のムチャクチャさ
JR東海は、リニア中央新幹線の南アルプス長大トンネルから発生する大量の残土のうち、静岡県内分360万立方メートルについては、南アルプス山中に捨てる計画を出しています。静岡県内であげられた7ヶ所の残土捨て場のうち、1つは前回指摘した「標高2000m天空の残土捨て場」というあまりに無謀な場所です。 他の候補地も、それに負けず劣らずムチャクチャな場所です。環境影響評価準備書 静岡県版より複製・加筆...
View Article大井川の水源はポンプになるのかな?
「トンネル建設により大井川の流量が2㎥/s減少する」 という予測を出たことに対し大井川流域から強い懸念が出されました、それに対し、このほどJR東海が説明会を開き、「トンネル内に湧き出した水を川に汲み上げて戻すので心配はない」と述べたそうです。 本日の静岡新聞朝刊を貼り付けます。 ・・・・ ムチャだっつ-の!!...
View Article静岡市民文化会館でリニア計画を問う講演会が開かれます
9月に環境影響評価準備書が出されて以降、 南アルプスの標高2000mの稜線に残土を捨てる 南アルプス山中の巨大山崩れ直下に大量の残土を捨て、大井川を埋め立てる 大井川の流量を毎秒2t減らす 静かな山里の生活道路を1日1700台以上の大型車両で占領する 南アルプスに総延長100㎞程度のトンネルを縦横に掘る 環境アセスメントがアセスメントの体をなしていない 沿線住民とのコミュニケーションが不成立...
View Article疑問・不安だらけの「リニア新幹線を考える会」
昼過ぎまで出かけていたので見ておりませんが、本日お昼のテレビ番組で、リニア建設による水環境への不安について取り上げられていたようです。 そのためか、休日には珍しく、カウント数が増えておりまして、驚いています。大井川の流量減少問題につきましては、こちらに別途まとめてあります。...
View Article残土は南アルプスから運び出せないので山中に捨てるのでは?
「ナゾの記名問題」とは別に、どうしても拭えない違和感。 「反対運動で騒ぎ立てることだけが目的なのではなかろうか??」という疑念です。...
View Article動植物リストの信頼性/世界遺産に対する県知事のご認識
最近、静岡市の田辺市長がリニア計画に関して、「世界遺産のみならずエコパークとの両立も難しいのではないか」という懸念を表明されました。http://park.geocities.jp/jigiua8eurao4/SouthAlps/Shizuoka-news/2013.12.23.jpgまた、静岡市の自民党市議団から市長に、「エコパークや世界自然遺産登録を阻害するような計画は認められない」という意見書...
View Article長野県の高山植物は保全対象なのに静岡のものは残土で生めてよいという判断
環境影響評価において、当然のことながら、動植物の保全が重要なテーマとなります。 しかし、何らかの改変を行う以上、全ての動植物種を保全対象にするというのは不可能なので、特に重要な種を選択して、それに対して保全策を考えるということが行われます。 重要な種の選定基準について特に定まってはいませんが、一般的に...
View Article「リニアは来年秋に着工?/国立公園指定動植物の取り扱いが県によって違うのはなぜ?
年内のブログ更新はやめようと思ってましたが、妙なニュースがありますので言及してみます。 本日(昨日?)JR東海が、来年10月にリニア中央新幹線の建設を開始する方針であることを公表したかのようなニュースが流されました。...
View Article本年は南アルプス国立公園制定50周年でございます
あけましておめでとうございます 本年もよろしくお願いいたします。 平成26年は 南アルプス国立公園制定50周年ユネスコ・生物圏保存地域(エコパーク)審査 という大きな節目の年でございます 南アルプス国立公園誌昭和39年の南アルプス国立公園制定に際して発行されました つつがない一年でありますよう願っております 環境省...
View Article外来種!! 南アルプスが南アルプスでなくなってしまう!
新年早々、こんな文句ばかり文章にしたためていて、なんとも陰湿な正月でございます。さて、本題に入ります。明治時代、 「鉄道草」 と呼ばれた草がありました。 新しく線路が敷かれた地域にきまって生えてくる、これまで誰も見たこともない、不思議な草のことをこう呼んだそうです。 文明開化のしるしとされたこともあったそうです。...
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